病は気からって言うけど本当なの?メディカルドック監修医が医学的根拠や免疫力を高める生活習慣や食べ物などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
「病は気から」って言うけど本当なの?

「病は気から」とは、病気は気の持ちようで良くも悪くもなる、つまり気持ちの持ち方が健康に大きく影響するという意味の慣用句です。確かに、ストレスが強くかかることで体調を崩しやすくなることを経験することも多いと思います。この「病は気から」は本当なのでしょうか?
「病は気から」の医学的根拠

ストレスが免疫力を低下させる
身体にストレスがかかると、交感神経が興奮するようになります。交感神経が興奮し、β2アドレナリン受容体が刺激されると、リンパ球がリンパ節から出るのを抑え、リンパ球が炎症部位に到達しづらくなることが報告されています。この現象は、感染症が身体で起こっている場合、炎症部位にリンパ球が到達しづらくなることで、感染症の治癒が遅れてしまうことにつながります。
精神的、肉体的な疲れやストレスが溜まっているときには感染症が治りづらくなることがあり、この現象がいわゆる「免疫力が低下している」という状態と考えられるでしょう。
プラセボ効果
プラセボ効果とは、実際に効果のない偽薬を服用したにも関わらず、患者さんが症状の改善を実感する現象のことです。このプラセボ効果は、効果のある薬を飲んでいるという気持ちが症状の改善を起こしていると言えます。過敏性腸症候群や腰痛症などの慢性疼痛などへのプラセボ効果を調査した研究では、プラセボ群での改善がみられました。このように実際に有効性のある薬でなくとも効果があると信じる気持ちで症状が改善することもあるのです。まさに「病は気から」ということもできるのではないでしょうか?
自律神経への影響
日常生活でのストレスや不安感などが影響して自律神経のバランスを崩したり、うつ病などの精神疾患の原因にもなります。日常生活のストレスをためやすかったリ、自分で抱え込むような性格の場合にはリスクになります。
逆にストレスを上手く解消できるようにしたり、自分がリラックスできる環境を整え、気持ちを安定させることで自律神経のバランスを整え、うつ病などの発症リスクを軽減させることが可能となるでしょう。
また、実際にストレスにより病状が悪化することが分かっている病気もあります。過敏性腸炎や胃・十二指腸潰瘍、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、片頭痛、筋緊張性頭痛などです。これらの病気も気持ちが前向きでストレスを感じにくくなれば病状が改善します。これらの病気もまさに「病は気から」と言えるかもしれません。

