PTSDの前兆や初期症状について
PTSDの症状は大きく4つのカテゴリーに分けられます。症状のあらわれ方には個人差があります。
侵入(再体験)症状群
つらい体験を繰り返し思い出してしまうことが、侵入の症状です。
突然、つらい記憶がよみがえる(フラッシュバック)、出来事を思い出すような状況で強い苦痛を感じるなどの症状がみられます。
フラッシュバックは、まるで過去の体験が目の前で再現されているように感じられる現象です。強い恐怖や不安、怒りなどの感情を伴うことが多く、生活に支障をきたします。
また、体験を思い出すような状況を避けるために、行動範囲が狭まってしまう人もいます。事故現場を通るのが怖くて、遠回りをするようになったり、事件のことを思い出すきっかけになるテレビ番組を見なくなったりする人もいます。
回避
つらい体験を思い出すことを避ける行動も、PTSDの症状と言えます。体験に関連する場所や人を避ける、体験について話すことを避ける、感情が麻痺したように感じるなどの症状があらわれます。
回避行動は、一時的に心の負担を軽くする効果があるかもしれません。しかし、長い目で見れば、社会的な孤立を招き、病状が悪化するリスクがあります。
認知や気分の異常
考え方や感情が否定的に変化して自己肯定感が著しく低下することがあります。具体例としては、自分はダメな人間だと感じる、将来に希望を持てない、周囲の人に対して愛情や関心を持てないなどです。
これらの変化は、対人関係や社会生活に悪影響を与えることがあります。
これらの認知の変化は、他の精神障害の症状とよく似ています。実際に、うつ病やアルコール依存、睡眠障害、不安障害などを併発しているといわれています。
また、家族や友人に対して不信感を抱き、感情をうまくコントロールできなくなるため、人間関係に支障をきたして孤立する人もいます。
過覚醒
自律神経系のバランスが乱れ、心身が常に緊張状態になるため、ちょっとしたことに苛立ったり、怒りっぽくなったりする場合があります。
集中力や記憶力の低下も、代表的な症状の一つです。過去のつらい出来事が頭から離れず、目の前のことに集中できなかったり、新しいことを覚えるのが難しくなったりすることがあります。
また、交感神経が優位な状態が続くため、眠りにつくのが難しく、夜中に何度も目が覚める症状に悩まされる人もいます。
これらの症状は、日常生活を送るうえで大きな負担となり、社会生活に支障をきたします。
PTSDの検査・診断
PTSDの診断は、専門医による問診でおこなわれます。問診では、つらい出来事の内容や症状の経過、日常生活への影響などを詳しく聞かれます。
具体的には、侵入(再体験)症状群や回避などの症状が1ヶ月以上続き、強い苦痛を感じて、対人関係や社会生活に支障をきたしている場合に診断されます。
必要に応じて、心理検査や脳波検査などがおこなわれることもあります。心理検査は、症状の程度を客観的に評価するために用いられます。
また、脳波に特徴的な変化が見られるケースがあるため、脳波検査をおこない脳の活動状態を調べます。
ただし、脳波検査は、PTSDの診断に必須ではありません。あくまで、診断の補助としておこなわれることがあります。専門医がさまざまな情報を総合的に診断します。

