アスピリン中毒の治療
急性のアスピリン中毒の治療では、重症化の阻止や救命のため、多くの場合で積極的な治療がおこなわれます。治療の主な目的は、アスピリンの吸収阻害や、体内からのアスピリンの除去です。
アスピリン摂取からあまり時間が経過していなければ、胃洗浄、活性炭の投与などをおこない、アスピリンの吸収を防ぎます。中程度以上の中毒では輸液(炭酸水素ナトリウムとカリウムの静脈内投与)がおこなわれるのが一般的です。
患者さんの腎機能に問題がなければ、投薬によって尿をアルカリ化にし、利尿を促します。薬剤の影響や利尿により低カリウム血症となるケースがあるため、その場合はカリウムを補充します。
血圧低下、けいれんなどの症状に対しては、人工呼吸管理や酸塩基平衡異常に対する補正、痙攣予防としての薬剤投与、輸液などによる血圧管理など、集中治療が必要になることもあります。
慢性のアスピリン中毒では、アスピリンを含む薬剤の使用を中止したうえで、検査結果に合わせた対症療法がおこなわれます。
アスピリン中毒になりやすい人・予防の方法
アスピリン中毒は、過剰なアスピリン摂取があった場合は誰にでも起こる可能性があります。
一方で、アスピリンは薬効成分としてその安全性などが広く認められた物質であり、現在でも処方薬や市販薬に広く使用されています。
アスピリンに対する正しい知識を持ち、用法用量を守って服用する限りは、急性のアスピリン中毒を発症するリスクは高くないとされています。認知機能が低下している人や、精神状態が不安定な人などがアスピリンを含む薬を服用する場合は、誤用や乱用、オーバードーズ事故にならないように、周囲が監視するなどの対策が有効といえます。
市販薬を複数使用する場合や、処方薬と市販薬を長期間にわたり併用するような場合では、慢性のアスピリン中毒を発症する恐れがあります。安易な自己判断による使用を避け、服用前に医療機関や薬剤師に相談することが、アスピリン中毒の予防につながります。
急性中毒、慢性中毒に関わらず、アスピリンを含む薬を使用していて体調に異変を感じた場合は、その薬の使用を中止し、できるだけすみやかに医療機関に相談しましょう。
関連する病気
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代謝性アシドーシス
呼吸性アルカローシス
敗血症参考文献
厚生労働省|健康・医療一般用医薬品の乱用(オーバードーズ)について
厚生労働省|職場のあんぜんサイト:サリチル酸
厚生労働省|重篤副作用疾患別対応マニュアル

