尿閉の治療
尿閉の治療は、原因や症状の程度によって異なります。
薬物療法
前立腺肥大症による尿閉の場合は、薬物療法が有効な場合があります。薬物療法は、手術をせずに症状を改善することが目的です。
前立腺や膀胱頸部の筋肉を緩め、尿道を広げることで排尿を促したり、前立腺を縮小させることで尿道を広げたりします。
これらの薬を使う際には、副作用が現れる可能性があるため、症状に注意し専門医に相談しながら治療を進めます。
導尿・カテーテル挿入
手術後や検査など、尿を速やかに排出する必要がある場合は、尿道から膀胱にカテーテルを挿入し、導尿を行います。カテーテル挿入は、尿閉の症状を一時的に改善するための処置です。
また、長期間にわたり排尿が困難な場合には、留置カテーテルを挿入します。留置カテーテルは、自力で排尿できない場合に、尿を体外へ排出するための手段です。
しかし、カテーテル挿入は、感染症や尿道損傷などの合併症のリスクがあるため、できるだけ短期間の使用にとどめることが望ましいです。
手術
尿閉の原因疾患を根本的に治療するために、手術が行われることがあります。
手術は、薬物療法やカテーテル挿入で改善しない場合や、原因疾患を根治する必要がある場合に行われます。
前立腺肥大症には、内視鏡で前立腺を切除する「経尿道的切除術(TURP)」などが行われます。TURPは、比較的安全な手術ですが、出血や感染などの合併症が起こることがあります。
尿道狭窄には尿道拡張術を行うこともあります。尿道拡張術は、尿道を広げるための処置ですが、再狭窄する可能性もあります。
尿道からの排尿が困難な場合は、腹部から膀胱に管を通す「膀胱瘻造設術」を行って、尿を体外へ排出させることもあります。
尿閉の原因に合わせて、それぞれの手術が選択されます。
尿閉になりやすい人・予防の方法
尿閉は、特定の要因を持つ人に起こりやすい傾向があります。特に高齢の男性は、前立腺肥大症が尿閉の主な原因となることが多いです。加齢に伴い前立腺が肥大化し、尿道を圧迫することで排尿が困難になるためです。
ただし、高齢男性の場合、前立腺肥大症だけでなく、膀胱機能の低下や神経系の疾患も尿閉を引き起こす要因となることがあります。
神経系の疾患である。脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷などは、膀胱の収縮や尿道の開閉を制御する神経に影響を与え、正常な排尿機能を妨げることがあります。
また、糖尿病も尿閉のリスクを高める要因の一つです。糖尿病による神経障害は、膀胱の機能を低下させ、排尿がスムーズに行えなくなることがあります。
特定の薬剤の使用も尿閉を引き起こす可能性があります。抗コリン薬や抗ヒスタミン薬などは、膀胱の収縮を抑制する作用があるため、尿閉の原因となることがあります。これらの薬剤は市販薬にも含まれている場合があるため、注意が必要です。
手術後の患者も一時的に尿閉になることがあります。麻酔や手術の影響で、膀胱や尿道の機能が一時的に低下することがあるためです。手術の種類や範囲によって、尿閉のリスクが異なります。
尿閉を予防するためには、日常生活での注意が重要です。適切な水分摂取は、尿意を感じたら我慢せずに排尿することも重要です。
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