甲状腺がんの治療
甲状腺がんの治療は、がんの進行度合いや性質、体調などから総合的に検討されます。
手術
がんがある方、もしくは全部を手術で摘出します。
全摘した場合は甲状腺がんの再発予防が期待できます。その一方で、甲状腺ホルモンが分泌されなくなるためホルモン薬を飲み続ける必要があります。
片側を摘出した場合は、ホルモン薬を飲む必要はありません。しかし、微小ながんが残る、再発した場合は全摘が必要になる可能性があります。
また、必要な場合はリンパ節郭清によって甲状腺周囲のリンパ節を切除します。転移が疑われる場合、もしくは転移の予防のために行われる処置です。
腫瘍によって反回神経麻痺が起きていれば、反回神経を可能な限り修復します。
放射線治療
Ⅰ-131という放射性ヨウ素のカプセルを内服し、放出される放射線でがん細胞を破壊する内照射による治療、未分化がんで手術ができない場合などに行う外照射による治療があります。
内照射の場合は、治療目的によって
アブレーション:わずかに残っている甲状腺組織の除去
補助療法:目に見えない小さながん組織の除去
治療:がんが残っている、遠隔転移などで手術できない場合の治療
に分かれています。
薬物療法
TSH(甲状腺刺激ホルモン)抑制療法:TSHの分泌を抑制し、甲状腺がんの細胞への刺激を減らすために行います。
分子標的薬:放射線の内照射治療が行えない場合、遺伝子検査で特定の遺伝子に変異が見つかった場合に行います。
化学療法(細胞障害性抗がん薬):未分化がんの術後補助療法として行います。
甲状腺がんになりやすい人・予防の方法
甲状腺がんのリスクが高くなる可能性のある人はいますが、遺伝の関係以外では、生活習慣を整えることがリスクや予防につながると考えられます。
なりやすい人
前述の通り血縁者に甲状腺がんを発症した人がいると可能性が高くなると考えられており、特に髄様がんでは遺伝の影響が指摘されています。
また、前述のように
若い頃の大量放射線被ばく、体重増加(肥満)、遺伝子異常、喫煙、女性ホルモン(経口避妊薬服用)
といった条件下で甲状腺がんのリスクが高くなると考えられています。
予防法
甲状腺がんに特化した予防法はありませんが、がん全般の予防法として
禁煙
節度のある飲酒
バランスのよい食事
運動
適正な体重の維持
などが「日本人のためのがん予防法」として挙げられています。
関連する病気
甲状腺濾胞がん
甲状腺乳頭がん
甲状腺髄様がん
甲状腺低分化がん
甲状腺未分化がん
参考文献
甲状腺癌:[国立癌研究センター癌情報サービス 一般の方へ]
甲状腺癌は30代、40代にも多い
甲状腺腫瘍 | 癌診療ガイドライン | 日本癌治療学会甲状腺癌 – 耳鼻咽喉・頭頸科
科学的根拠に基づく癌予防:[国立癌研究センター 癌情報サービス 一般の方へ]

