食後に薬を飲む理由とは?メディカルドック監修医が食後の薬を処方される症状や病気などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
食後って食事が終わってから何時間以内?

薬の服用における「食後」とは、一般的に食事が終わってからおよそ30分以内を指します。そのタイミングであれば、胃の中に食べ物が残っている状態で薬を服用できるためです。
食べ物が胃にとどまる時間は平均2〜3時間といわれていますが、食事内容や量、その時の体調によって幅があります。水っぽくて柔らかいものは早く胃の中から無くなり、タンパク質や脂肪が多いものは時間がかかります。
厳密には幅があるものの、胃に食べ物が入っている可能性が高いということで食後30分以内とされるのです。
なお、「食直後」と指示された場合は、食べ終わったらすぐに服用してください。
食後に薬を飲む理由とは?

食後に薬を飲む代表的な理由を3つ解説します。
胃の負担をやわらげるため
痛み止めや一部の風邪薬は、副作用で胃の粘膜が荒れる可能性があります。空腹時で胃の中に何も入っていないと、薬が直接粘膜に触れて胃を荒らし、胸やけや食欲の低下などが起こりやすくなります。
食後であれば、食べ物がクッションとなって薬が胃の粘膜に直接触れにくくなるため、胃が荒れにくくなるのです。
食後の方が吸収がよいため
薬の成分が水よりも油に溶けやすい性質を持つ(脂溶性:しようせい)場合、食後に飲んだ方が体への吸収が高まりやすくなります。食事に含まれる脂質や食事によって分泌される消化液によって吸収が高まるためです。
具体的には、一部のビタミン剤や抗真菌剤(カビによる感染症を治療する薬)などが該当します。
なお、食事に含まれる脂質の量によって吸収量が変わるケースはありますが、脂質の摂りすぎも良くありません。基本的には、バランスのよい食生活を心がけましょう。
飲み忘れを防ぐため
「食後」というタイミングは、薬の飲み忘れ予防にも効果があります。具体的には、以下のような理由が挙げられます。
・食事とセットにすることで、薬を飲む習慣をつけやすい
・食事の間隔は4~5時間ほど空くケースが多いため、1日3回の薬の服用間隔と一致しやすい
・食後なら薬を飲むための水を用意しやすい
薬を飲む習慣がついていない場合、たとえば「6時間おきに飲んでください」と言われても、飲み忘れてしまうことがほとんどです。そこで薬を食後に服用すれば、飲み忘れを防げます。
ただし、夜勤がある、1日2食しか摂らないなどで食生活が不規則な方は「食後」が医師の想定する薬の服用間隔とズレる可能性があります。当てはまる方は、医師や薬剤師へご相談ください。

