《真珠の耳飾りの少女》だけじゃない!フェルメールの代表作6点を解説
珍しい構図の《真珠の耳飾りの少女》
ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》, Public domain, via Wikimedia Commons.
極限まで引き算された暗い背景に、浮かび上がる少女の顔。「北方のモナ・リザ」とも呼ばれ、フェルメールの代表作として知られています。
…が、実は他のフェルメール作品と比べると異色の作品でもあります。彼の画業の全体的には、人の日常を離れたところから見守るような絵画が多いのです。1人の人物にここまで近寄り、しかも絵画の中の人物と目が合うのは、数少ない作例です。
珍しい構図ですが、ターバンの鮮やかな青や、瞳と唇に散りばめられた光の点など、フェルメールらしさがぎゅっと詰まっています。絵画と対面したら、つやめく大きな瞳に吸い込まれそうになるはずです。
日常を神聖に描いた《牛乳を注ぐ女》
ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》, Public domain, via Wikimedia Commons.
女性が牛乳を注ぐという、よくある家事の一瞬を描いた作品。なのに、フェルメールの手にかかれば宗教画のような神聖さまで生まれてしまう…そんな不思議な一作です。
静けさや神聖さを生むヒミツといえば、余白として残された白い壁。思い切って背景を引き算することで、静かな空間を演出しました。
ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》(部分), Public domain, via Wikimedia Commons.
当初、フェルメールはここに地図を描いていたのですが、制作途中で塗りつぶしたようです。結果として静けさが際立ち、画家の代表作のひとつとなりました。
なお、窓ガラスに注目してみると…実は、一部が割れているんです。理由はわかっていませんが、フェルメールには何らかの意図があったはず。静かな画面に忍ばせた、不穏なモチーフ…空想を広げるのも楽しい作品です。
