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9人に1人が罹患する前立腺がんを専門医が解説―「放っておいていいがん」の認識は誤り

9人に1人が罹患する前立腺がんを専門医が解説―「放っておいていいがん」の認識は誤り

診断されたらまず知るべきこと

病期とグリソンスコア

前立腺がんと診断された場合、まず理解すべきなのが「病期」と「悪性度」です。沼尾医師は「『前立腺がんになった』と言っても、一体どんな状況なのかは人によって全く違います」と述べ、その重要性を強調しました。

前立腺がんの病期はABCDの4段階で分類されます。AとBはがんが前立腺の中にとどまっている状態、Cは転移はないが前立腺の外に出ている状態、Dは転移がある状態です。

組織検査によるがんの悪性度を示すのがグリソンスコアで、6から10の範囲でスコアリングされます。スコアが高いと増殖速度が速く命を脅かすがんとなり、逆にスコア6程度であれば“おとなしい”がんで、経過観察の対象となることもあります。

リスク分類と予後

転移のない前立腺がんでは、グリソンスコア、PSA値、局所の進展度を組み合わせてリスク分類を行います。「ローリスク」「インターミディエイト(中間)リスク」「ハイリスク」に分類され、これによって治療方針が決まってきます。

予後については、転移がない前立腺がんの5年生存率はほぼ100%に近い一方、遠隔転移がある場合は53.4%まで低下します。沼尾医師は「ローリスクの人はほとんど亡くなっていません。転移がない方は、寿命の方が先に来てしまうことも多いです」と述べました。

編集部まとめ

前立腺がんは現在、日本人男性のがん罹患数1位であり、9人に1人が罹患する身近な疾患です。しかし沼尾医師が指摘するように、その全体像を正しく理解している人は少なく、さまざまな誤解も存在します。

50歳以上の男性はPSA検診を受けることが推奨されていますが、過剰診断・過剰治療というデメリットも理解した上で受けることが大切です。PSAが高値だった場合も、MRI検査や生検を経て正確な診断が行われます。診断後は病期とグリソンスコアを理解し、自分のがんがどのような状態にあるのかを把握することが、適切な治療選択の第一歩となります。

関連情報
主催:公益財団法人がん研究会有明病院
セミナー名:報道関係者向けセミナー「前立腺がんを知る~疾患の特徴と最新の治療選択肢~」
講師:沼尾昇 医師(がん研有明病院 泌尿器科 担当部長)

配信元: Medical DOC

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