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前立腺がんは「治療しない」選択肢も?ロボット手術から放射線まで専門医が解説

放射線治療の多様な選択肢

外から照射するIMRT

前立腺がんの放射線治療には多くの種類があります。外照射の主流となっているのがIMRT(強度変調放射線治療)です。技術の進歩により前立腺にフォーカスを絞る精度が上がっており、直腸などの周囲組織を避けながら、がんに集中的に放射線を当てることが可能になっています。

中から照射する小線源治療

体の中から放射線を照射する方法もあります。小線源治療(LDR)は、放射線を出す小さなカプセル状の線源を前立腺内に埋め込み、内部から継続的にがんを攻撃します。低リスクや、悪性度の比較的低い中間リスクの前立腺がんに対しては、手術や外照射と同等の治療効果があります。

また、小線源治療と外照射、ホルモン療法を組み合わせた「トリモダリティ」という治療法もあり、ハイリスクの前立腺がんに対して有効性が示されています。

わずか5回で終わるSBRT

近年急速に普及しているのがSBRT(体幹部定位放射線治療:小さながん病変に対していろいろな方向から放射線を正確に照射する技術)です。従来の放射線治療では30回から40回の通院が必要でしたが、SBRTではわずか5回、約1~2週間で治療が完了します。

沼尾医師は「何回がいいですかと聞くと、皆さん5回と言います。従来の放射線治療と成績が変わらないとも言われていますので、今後主流になると思います」と述べました。

どの放射線治療を選ぶべきか

多くの選択肢がある中で、どれを選ぶべきでしょうか。沼尾医師によると、IMRT、小線源治療、トリモダリティなど、どの治療法も成績に大きな優劣はついていないとのことです。そのため、通院回数や費用、生活状況などを考慮して選択することになります。

ロボット支援手術で変わる前立腺がん治療

ほぼ全例がロボット手術の時代に

前立腺がんの手術は、現在ではほぼ全例がロボット支援手術で行われています。以前は開腹手術なども行われていましたが、ロボットの方が安全性が高く、術後のQOL低下も少ないためです。

ロボット手術の最大のメリットは、拡大視野で精密な操作ができることです。沼尾医師はデモンストレーションの中で「拡大視野で、肉眼で見るよりきれいに見えますので手術の精度が上がり、術後の合併症軽減と機能向上につながっています」と述べました。

傷が小さいシングルポート手術

現在使用されているロボットには、「マルチポート」と「シングルポート」の2種類があります。

マルチポート(ダビンチXi)は腹部に5~6カ所の穴を開けて手術を行います。一方、シングルポート(ダビンチSP)はおへその下と右下腹部の計2カ所のみで手術が完了します。シングルポートは腹腔を経由しないため、腹腔内臓器の損傷リスクが少ないというメリットもあります。

前立腺全摘術の流れ

前立腺がんの手術は「前立腺全摘術」と呼ばれ、前立腺を丸ごと摘出し、膀胱と尿道をつなぎ合わせる術式です。模式図で見るとシンプルですが、実際には繊細な技術が求められます。

ロボット手術では、術者はコンソールと呼ばれる操作台に座り、3Dの拡大映像を見ながら複数のロボットアームを操作します。直接人間の手で行うよりも精緻(せいち)な動きが可能です。

尿失禁と性機能への影響

前立腺全摘術の主な合併症は尿失禁と性機能障害(射精障害、勃起障害)です。

尿失禁については、手術直後が最も漏れやすく、その後徐々に改善していきます。半年から1年後には、尿漏れパッドが不要になるか、念のため1枚程度という状態になる方が9割から9割5分程度です。ただし高齢の方や体重の重い方は漏れやすい傾向があります。

性機能については、前立腺周囲の性機能にかかわる神経(神経血管束)を温存できるかどうかで結果が異なります。両側温存で6割から8割、片側温存で3割程度、ある程度の勃起機能が保たれるとされています。

配信元: Medical DOC

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