●初公判での衝撃「否認」
2026年1月、初公判が開かれた。
被害女性は被害者参加制度を利用し、遮蔽措置(ついたて)を設けたうえで検察官の隣の席に座った。傍聴席は満席だったという。両親も傍聴席から見守った。
「公判に行けば加害者がいる。本当に怖かった。ハニートラップだと言う人もいると思うんですけど、本当に(性暴力を)されている。本当に人生潰されたと思っているから行ったんです。
私から見えないように、加害者からも私が見えないように時間差で連れてきてくれるんですが、『今、加害者がこの場にいる』と実感しました。名前や住所を言ったときに声が聞こえて、本当に息が詰まるようでした」(被害女性)
検察官が起訴状を読み上げた。
「起訴状朗読では、出来事を想像しながら聞いていました。間違っていないか、検察官が何を言ってくれるのかと思っていました。
(被告人は)『そのような事実はございません』と否認しました。本当に腹が立ったのと、やっぱり怖い。反省していないので、厳罰を望んでいます」
公判中、弁護士に支えられながら涙を流す場面もあった。
「すごく不安でした。精神科には通っていますが、体調を崩して高熱が出たりして、精神的だけではなく身体的にも大きな負担がかかっていると思います」
●就活と裁判の両立、被害者の苦難は続く
事件の影響は、いまも彼女の日常生活に影を落としている。
被害女性は就職活動を控えているが、事件後の精神的不安定により、1月はほとんど大学に通えなかった。学校で人と話すことさえつらいときがあるという。
「声をかけられても、『性犯罪にあった』とは言えないですから…」
パニックを抑えるために薬を服用し、動物の動画を見たり料理に没頭したりして、かろうじて日常を保っている。
「春から始まる国家試験や就職活動と裁判のスケジュールが重なります。裁判にいつ呼ばれるのか、どうなるのかという不安が常に頭の片隅にあって、勉強に集中できない日も多いです」
安心して生活できる環境には、まだ戻れていない。
「加害者とは近所なので、出会わないようにしていますが、加害者の家族を見かけてしまうことはあります。そんなときは精神的不安定になります」
母親もこう語る。
「就職活動という人生の岐路に立っているときに、まだ裁判が続いています。裁判と就活の同時進行は本当に大変です。
でも、不服申し立てをしなかったら再捜査は絶対にされなかったと思います。記者会見をして、ニュースになり、反響が広がったことも大きかったと思います。
『致傷』が外されたことで判決が軽くなるのではないかと心配しています。私たちは刑事責任をきちんと問われてほしいと望んでいます」

