●通報直後に片道4時間の北九州へ異動打診
ところが、通報から2日後の2025年1月15日、原告は大阪刑務所長から、北九州医療刑務所(福岡県北九州市)への人事異動の意向打診を受けた。
原告は同日、異動を承諾できない旨の文書を大阪矯正管区長に提出したが受け入れられず、同年2月28日、北九州医療刑務所・医療第二課長への異動内示が伝えられたという。
訴状によると、2025年7月時点で近畿矯正管区内では医師2人を募集している一方、北九州医療刑務所は精神科医を募集しておらず、採用情報ページにも「現在充足中」と記載されていたという。
原告側は「近畿矯正管区内においてさえ精神科医が不足しているのに、人手が充足している北九州医療刑務所にあえて原告を転勤させる業務上の必要性はない」と主張している。

●原告「あり得ない人事異動、報復目的と推認される」
原告の男性は、親の介護と子育てのため、引っ越しを伴う転勤ができないことを2025年1月15日に伝えていた。
北九州への通勤は電車移動だけでも片道約4時間かかり、通勤手当を利用しても高額な交通費の自己負担が生じるほか、兼業先の医療機関での仕事との調整も現実的ではなかったとしている。
こうした事情を踏まえ、原告は訴状で次のように主張している。
「通常ではおよそありえない人事異動がなされたこと、しかもその内容が原告に対する配慮に欠けるものであることからすれば、本件内示は大阪刑務所内でおこなわれていた医療上の違法行為等を指摘する原告に対する報復目的であったと推認される」

