●経営が苦しい…お坊さん派遣サイトに登録する寺も
寺の主な収入源といえば、お布施や大規模修繕の際の寄付などが思い浮かびます。しかし、宗教意識の変化や過疎化などの影響で、都市部でも地方でもその収入は減少する一方です。
幼稚園を運営する寺もありますが、少子化の影響でそちらの経営も明るくありません。
寺が生き残るためには、既存事業で増収を図るか、新たな事業に取り組む必要があります。
私の周囲でも、特に危機感を持つ若い世代の僧侶の中には、異業種交流会に参加するなどして活動の幅を広げようとする人もいます。
最近では、葬儀などに僧侶を派遣するポータルサイトに登録する人も増えているようです。
また、寺が葬儀社と提携することもあります。都市部では、葬儀社に足元を見られてしまうこともあると聞きます。 たとえば、宗教関係費用も葬儀料に含めたうえで遺族から一括徴収し、寺に対しては極端に高額な紹介料を控除するというケースもあるようです。
●あいまいな慣習を逆手にとり、後出しで高額請求も
今回の相談のように、寺から後出しで高額な費用を提示されるというケースは、まさに「増収策の悪い例」と言えます。
あくまでも印象ですが、どちらかといえば、私の法律事務所がある広島のような地方ではあまり目立たず、大都市圏で多いように感じます。
お布施は本来、感謝の気持ちを形にしたもので、金額について明確な合意がないのがむしろ一般的です。依頼する側が相場を調べ、それに近い金額を渡すというのが従来の慣行だったと思います。
昔は近所の人に聞いたものですし、私の父の葬儀の際には、葬儀社が別途支払いを前提に相場を教えてくれました。
今回の相談事例は、こうした金額のあいまいさを逆手に取り、寺側が一方的に金額を決めて請求しているケースといえるでしょう。

