U29世代の「ゼロか100か」メリハリ消費戦略
そして、今回のデータの中で一番なるほどと思ったのが、20代を中心としたU29世代の動きです。彼らの旅先ランキングも同じく、1位韓国 2位台湾という、徹底してコスパよく選ぶ傾向が見られました。一方で、10位にはフランスがランクイン。円安の影響で「ヨーロッパは手が届きにくい」と言われる中、あえてフランスを選ぶ層が存在しているのです。
ここに、若い世代ならではの旅のスタイルが見えてきます。
彼らは、いわば“0か100か”のメリハリ消費。韓国では、どこで買うのが一番安いのかを徹底的に調べ、1円単位でコストを最適化する。一方で、「一生に一度は本物を見たい」という体験には、しっかりとお金をかける。
円安という逆風さえも前提に、「どうせ高いなら、本当に行きたい場所へ行く」という一点集中型の選択です。
「円安だから無理」と考えがちな大人世代に対して、U29世代は、その制約すら楽しむような潔さがある。その姿勢には、どこか頼もしさを感じると同時に、見習いたくなるものがあります。
彼らが、街角のカフェで少し高めのコーヒーを飲みながら、「やっぱり来てよかった」と感じる——そんなパリでのひとときを想像すると、思わず背中を押したくなるのです。
旅の本質というのは、効率の先にある感動だと、改めて気づかされるきっかけとなりました。
制約の中で選び抜く自分にあった最適解の旅
2026年の春旅は、さまざまな制約の中にあります。だからこそ、知恵を絞り自分だけの“最高の旅”をデザインする——そんなスタイルが、いまスタンダードになりつつあります。韓国を選ぶ人もいれば、ベトナムを選ぶ人もいる。そして、「一生に一度のパリ」を選ぶ人もいる。それぞれに、それぞれの最適解がある時代です。
大切なのは、「どこに行くか」だけではなく、「どう旅するか」。限られた時間と予算の中で、自分にとっていちばん満足度の高い選択を見つけていくことなのかもしれません。
私もまた、そんな一人ひとりの“最適な旅”に寄り添う存在でありたいと考えています。
ぜひ、今回の内容もヒントにしながら、春や夏の旅の計画を楽しんでみてください。旅は、計画している時間さえも楽しいものです。
自分にぴったりの旅を、見つけてみてくださいね。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母

