こんにちは、現役内科医のドクターハッシーこと橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
皆さんは、毎年受けている健康診断を「単なる年中行事」にしていませんか? 実は、医師の視点から見ると、非常に価値のあるデータを手にしているのに、それを生かしきれていない「もったいない受け方」をしている方がとても多いと感じています。
健康診断は、いわば「体からの通知表」です。本記事では、検査項目の選び方から結果の生かし方まで、「もったいない受け方」を卒業するポイントを解説。受けるだけで満足せず、自分自身の健康を賢く守るための「健康診断の活用術」を、内科医の視点からわかりやすくお伝えします。
このコラムを書いたのは…
監修/内科医 橋本将吉 先生(東京むさしのクリニック院長)
株式会社Gift Circle(リーフェグループ)代表取締役。東京むさしのクリニック院長。総合診療・予防医学・高齢者医療を専門とし、西洋医学と漢方医学を組み合わせた診療をおこなう。YouTube「ドクターハッシー/内科医 橋本将吉」では、医学知識を一般向けにわかりやすく発信している。
「とりあえず会社任せ」がもったいない理由

多くの企業でおこなわれる定期健診は、法律で決まった「最低限受けるべき項目」が中心です。もちろん大切ですが、年齢、性別、これまでの病歴、そして家族の病歴(家系)などは一人ひとり異なります。
「会社が決めた項目だから、これだけで自分の全身がチェックできている」と思い込んでしまうのは、とても危険なことなのです! 例えば、働き盛りの世代に必要な胃の精密な検査や、女性特有の病気への視点が欠けている場合があります。
健康診断を「義務」ではなく「自分の体の状態を、プロの目であなた専用に査定してもらう貴重な機会」と捉え直すことが、まずは大切です。
では、「具体的に何に注目して、どんな検査を追加すればいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そこで次に、年齢や状況に合わせた検査の選び方を解説していきます。
年齢別の「推奨検査」と、オプションの選び方

どの検査を受ければいいか迷ったときは、ライフステージ(年齢)に合わせた、以下の「視点」で整理してみましょう。
- 20代〜30代:生活習慣の「土台」をチェック
不摂生が数値に出始める時期です。基本の血液検査に加えて、将来の胃がんリスクを下げるための「ピロリ菌検査」や、女性の方は「子宮頸がん検診」を早めに受けておくのが大切です。 - 40代〜50代:病気の芽を摘み取る「攻め」の検査
高血圧や血糖値の上昇が、血管にダメージを与え始める時期です。胃や大腸のカメラ、内臓の状態を診るエコー検査、また「がん検診」を積極的に追加しましょう。 - 60代以降:これからの「動ける体」を守る検査
血管の老化具合や、骨の強さ、肺の状態などを詳しく調べることをおすすめします。「大きな病気になる前に見つける」ことが、これからの楽しみを維持する鍵になります。
ただし、これらはあくまで「目安」です。年齢が若いから、あるいは項目にないからといって「受けなくていい」ということではありません。もし「なんとなく不安だな」と感じる部分があれば、年齢に関わらず医師に相談して検査を検討していただくことが、今の安心と未来の健康につながります。

