「紙ごと揚げ焼き」がポイント。ふっくらジューシーな「ペーパーチキン」

――「やわらかcuisine」以外にも、ご自身で「これは面白い仕掛けができた!」と手応えを感じているレシピはありますか?
美窪たえさん:シンガポール料理の「ペーパーチキン」を初めてお店で食べたとき、そのおいしさに感動して、お家でも作れるようにアレンジしたレシピを考えました。作り方は、オイスターソースなどで下味をつけた鶏もも肉をクッキングシートで包んで、そのまま“紙ごと”揚げ焼きにするというもの。紙の中で鶏肉自身の水分が蒸気となって、じっくり蒸し焼きにされるんです。そこに程よいオイリーさが加わって、驚愕のおいしさになりますよ!

――このレシピで工夫したのはどんなところでしょうか?
美窪たえさん:お家でたっぷりの油を使って揚げ物をするのは、準備も後片付けも大変ですよね。そこで、このレシピは「少なめの油での揚げ焼き」で作れるように工夫しました。少ない油だと中まで火を通すのが少し難しいのですが、そこは「蓋をして蒸し焼きにする」という、揚げ物としてはちょっと禁じ手のような裏技で解決しています。水滴が油に落ちないよう、蓋の開け閉めには注意が必要ですが、コツさえ掴めばとっても簡単なんです。
そして、家で作りやすいように、変わったスパイスは使わず、どのご家庭にある調味料だけで味付けしました。材料も、鶏肉、長ねぎなど馴染みのあるものだけで作れるので、味の想像がつきやすいことからか、「紙で包むのは少し面倒だけど、絶対おいしそうだから試してみたい!」と、多くの方に興味を持っていただけたようです。
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「おいしいと感じるものは、その時の自分の体に合っているもの」という言葉は、忙しさに追われてつい自分の食事を後回しにしてしまう私たちに、「もっと自分の感覚を信じていいんだよ」とやさしく教えてくれているようです。
取材・文=宇都宮薫 撮影=川上朋子 (美窪さん)

