●刑事局長「全体の中で再審制度を位置付ける観点から判断」
法制審の見直し案に賛成した学者については、「再審制度に関する論文を書いたことがある人がいない」といった批判も上がっている。
國重議員は「委員には専門性が求められるが、専門家なのかどうかを調べもせずに選んだのか」とも質問。
佐藤刑事局長は「網羅的に把握していない」と述べた一方で、「刑事司法は再審だけではなく、たとえば誤判を防ぐためにはまずは通常審においてそのようなことがないようにしなければいけないというのが大前提」と説明。
そのうえで「全体としての刑事司法の中で再審制度を位置づけていくことになるので、そういう観点から我々としては刑事訴訟法の学会を代表する全体として見ていただける方であると理解しておりますので、そういうことも加味して判断したということになるかと思います」と述べた。
法制審の議論では、日弁連が推薦した弁護士の委員が冤罪被害者を早く救済できる制度改正を提案したが、学者など他の委員の間では「法的安定性」を重視して反対する意見が目立った。
佐藤刑事局長の「刑事司法全体の中で再審制度を位置付ける観点から判断した」という答弁は、「法的安定性」を重視する人選につながった可能性をうかがわせる。

●なぜ論文執筆者ゼロ?法務省「お答え差し控え」
國重議員はさらに「再審や誤判に関してこれまで積極的に研究してきた方が選ばれていない」という研究者の指摘を引用し、こう追及した。
「同じ医者といっても、眼科、整形外科、脳神経外科と専門が違う。(法制審の委員は)一人ひとりは非常にすばらしい学者の方だが、なぜ再審に関する論文を発表している専門性のある学者を一人も委員に選ばなかったのか?」
佐藤刑事局長は「個別の人事に関わる検討の過程に関する事柄についてはお答えを差し控えたい」とし、「我々としては刑事裁判実務に全体として大きな影響を与える再審制度の議論、検討にあたり、幅広い観点から議論していただくことに適した方々に引き受けていただいたと考えている」と従来の説明を繰り返した。

