●カレンダーはめくられないまま
家宅捜索で撮影された写真には、野上が犯行に使ったパソコンと向き合う姿がある。
パソコンの置かれたデスクがきれいに整頓されていたのとは対照的に、すぐ横にかけられたカレンダーはめくられないまま、時間だけが過ぎていた。
●何十年も顔を合わせていない「父親」の投稿で“被告”に
とも子さんは2022年、民事でも損害賠償を求めて提訴したが、訴訟はなかなか進まなかった。
野上は体調悪化を理由に入退院を繰り返した。「次回期日に参加できるか体調面が不安です」と裁判所に電話をしてから、1週間も経たぬうちに、心不全で死亡した。2023年9月だった。
死んだ後も、とも子さんは国内外で暮らす野上の子や孫を相手に訴訟を続けている。
「相続人として、あなたが本件訴訟の被告となりました」
数百万円の損害賠償を請求する訴訟の通知が裁判所から届けられると、血縁の子や孫はすぐに相続放棄に着手した。
娘の1人は「何十年も連絡をとってなく顔も見ていない状態で一切かかわりがありません。遺産放棄の手続きをしている最中です」と裁判所に説明している。

