●争点(3)プラットフォーマーの「注意義務」
3つ目は、プラットフォーマーとしての注意義務違反の有無だ。
原告側は、タイミーが単なるマッチングの場の提供者にとどまらず、就労管理や賃金の立て替え払い、キャンセルルールの設計まで、一元的に担っている点に着目する。
その対価として企業側から手数料を得ている以上、雇用者による一方的なキャンセルの発生を防ぐ信義則上の義務があると主張している。
●個別訴訟では「泣き寝入りせざるを得ない構造になってきた」
スポットワークは数時間単位の短時間就労が中心で、1件あたりの報酬は数千円から1万円程度だ。
牧野弁護士はこれまで雇用者を相手取った訴訟も手がけてきたが、「1件ごとに訴訟を起こすのは現実的でなく、泣き寝入りせざるを得ない構造になってきた」と述べ、プラットフォーマーを被告とすることで、集団的な救済を目指すと強調した。
また、スポットワークでは、ワーカー側が直前キャンセルをするケースもあるが、原告側は両者の扱いに差があると指摘する。
60代男性によると、ワーカーが直前キャンセルした場合はペナルティが科され、一時利用停止や反省文の提出を求められるという。さらに、「個々のワーカーがどれだけキャンセルをしたのかについては、雇用側から閲覧できる状態になっている」。
一方で、雇用者側のキャンセル率などは、マッチング前にワーカーには開示されていないとされる。
また、キャンセルはショートメッセージで通知されるが、具体的な理由は示されず、その後は雇用者と連絡が取れなくなるという。

