●銀座の高級料理店の会話を録音「まじで殺すよ、本当に」
こうした関係は2024年8月、銀座の高級料理店で破綻する。
化粧品事業の収益の低さをめぐり、元教授が激昂したという。違和感を察知した元特任准教授はそのやり取りを録音していた。
「早く利益出してよ、まじで。化粧品が売れなくなったら、あなたお金持ってきてよ。それくらいやって貰わないと困るよ。人事権と(共同研究を)継続することは私が決めること。まじで殺すよ、本当に。あなたこの講座がなくなったら、何もなくなるよ」(検察側の証拠より)
代表理事は「関係性が破綻した」と判断し、大学へ公益通報。警察にも事件の経緯を告白し、不祥事が発覚した。
●元教授「代表理事はスポンサー」とみなしていたか
元特任准教授は、元教授の暴走を止めることができなかった。法廷で、弁護側の問いかけに丁寧な言葉遣いで、はっきりと語った。
「上司の人に言われたことに従わないといけないですし、講座を守る、存続させるために、(代表理事の)機嫌をそこねてはいけないという思いもありました」
また、約380万円にも及ぶ接待について、元教授が「(代表理事は)スポンサーだからね」と言葉を濁していたことがあったとも明かした。
●代表理事「僕みたいな人は断れる勇気を持ってほしい」
検察側は論告で「長期間にわたる常習的な犯行態様で、東大の信頼を失墜させた結果は重大だ」などとして、代表理事に懲役1年2カ月を、元特任准教授に懲役1年2カ月と約196万円の追徴金を求刑。
代表理事側は執行猶予付き判決などを、元特任准教授側も寛大な判決を求めて結審した。
代表理事は被告人質問で、社会で暮らす人たちへのメッセージを次のように語った。
「夢をいくら人質に取られたからといっても、断れる勇気を持っていれば良かったなと思います。僕みたいになっている方、断れる勇気を持ってほしいなと思います。このまま続けていても地獄です」
一方、元特任准教授は、最終陳述で「本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
判決はいずれも5月下旬に言い渡される予定だ。

