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地中に空洞、近隣住民の不法占有、知らぬ間に違反造成地に…… “建築不能”からの“過剰供給”で価格を破壊され続ける分譲地たち <連載:限界ニュータウン探訪記 ねとらぼ版>

地中に空洞、近隣住民の不法占有、知らぬ間に違反造成地に…… “建築不能”からの“過剰供給”で価格を破壊され続ける分譲地たち <連載:限界ニュータウン探訪記 ねとらぼ版>

(2)造成の甘さから陥没した分譲地

 地盤が軟弱な宅地で、建物が不同沈下を起こしてしまうケースはよく聞くが、限界分譲地を巡っていると、一度も建物が建てられたことがないはずの空き地が陥没したり、ひどく波打ったりしている光景を見かけることがたまにある。茨城県の沿岸部では、その地形のゆがみが東日本大震災の影響によるものであるとの説明を受けたこともあるが、軟弱地盤だからといって、すべての分譲地が震災の影響を受けているわけではなく、むしろ例外的な存在なので、根本的には“ずさんな造成工事”に起因するものだろう。

 よく聞くのは、宅地造成時に土砂ではなく伐採した樹木を地中に埋めて整地したために、地中の木片が腐って空洞が生じ、陥没しているケースである。

 全国的に宅地造成のあらしが吹き荒れていた1960年代~70年代は、まだ環境保護の意識も薄く、ゴミの収集事業そのものが行われていなかった自治体もあり、一般家庭レベルでも、ゴミの焼却処分や敷地内への埋立は普通に行われていた。造成時に伐採した樹木を処分せず、そのまま埋め立てていたのは想像に難くない。

 埋め立てていたのは樹木ではなく産業廃棄物の場合もあり、1990年代の千葉県北東部の建売住宅の現場では、浄化槽の埋設工事の際、地中から自動車や大量の100円ライターの残骸が掘り起こされたこともあったという。

 これも、陥没した箇所に土砂を流し込めば一応は整地されるかもしれないが、やはりマイナスをゼロに戻すための余計な費用がかかることと、そもそも陥没した宅地の第一印象が悪すぎて、宅地としての復活の望みは極めて薄い。

(3)擁壁の劣化・崩落

 (2)の要因と共通する部分があるが、ひな壇型の宅地で積み上げられている擁壁(ようへき:高低差がある宅地などで土地の崩落を防ぐために作られる壁状の構造物)が劣化して崩れかけていたり、亀裂が入って倒壊しかけたりしている光景を見ることがある。これも、古ければすべて劣化して崩れているというわけでもないので、おそらく施工技術に起因するものである。

 軽微な破損であれば補修できるかもしれないが、問題は、その擁壁が現代の建築基準法で定める施工方法や強度を満たしていない場合である。

 例えば、1970年代の古い分譲地の擁壁は大谷石(おおやいし)が多用されているが、この大谷石は現在、擁壁の資材として使用できない。高低差が2mに満たない擁壁の場合は、建築基準法における工作物としての適用を受けない(極論、好きな擁壁を作れる)ので、その資材の種類を問われることもないが、現に目の前で崩落しかかっている擁壁の上にこれから住宅を新築しようという人はいないだろう。

 擁壁のすぐ近くに苗木を植えてしまったような宅地もあり、大木と化したその木の根によって擁壁の破壊が進んでいるところもある。また擁壁の問題に関係なく、ひな壇分譲地はその施工や盛り土の状態によって不同沈下が発生しやすいといわれているが、これも宅地として安心して使える状態に戻すまでに、その土地の価値をはるかに上回る工事費用を要するものである。

配信元: ねとらぼ

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