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地中に空洞、近隣住民の不法占有、知らぬ間に違反造成地に…… “建築不能”からの“過剰供給”で価格を破壊され続ける分譲地たち <連載:限界ニュータウン探訪記 ねとらぼ版>

地中に空洞、近隣住民の不法占有、知らぬ間に違反造成地に…… “建築不能”からの“過剰供給”で価格を破壊され続ける分譲地たち <連載:限界ニュータウン探訪記 ねとらぼ版>

(4)不法占有

 上記(1)~(3)と事情が大きく異なるケースとして、自分の土地がいつの間にか何者か(大抵は近隣住民)によって占有されているケースがある。同じ分譲地の住民の共同駐車場になっていたり、何かの作物が植えられていたり、ひどいケースでは普通に物置小屋が建てられていたりする。

 さすがに物置小屋はやりすぎで、どう理屈をつけても占有者側が正当性を主張するのは難しいと思うが、容易に現状回復可能な駐車場や菜園であっても、理屈の上では占有者側に非がある行為である。しかし、こうした無断利用が行われる土地というのは、往々にして所有者が長年顔を見せることもなく、草刈りもせず放置している場所で、そうした土地は、無断で使用する意思があろうとなかろうと、所有者にかわって近隣住民が草刈りなどを続けている実態がある(管理されている土地が無断使用されるケースは少ない)。

 無断利用を咎めるのは簡単な話だが、もしその所有者が、本来は所有者の義務である草刈りやその他土地の管理を、知らず知らずのうちに近隣住民に押し付けていたとしたら、その関係は修復不能なまでに悪化する恐れもある。実際には、何十年と土地を死蔵してきた所有者が、改めてその土地の再活用を模索することはあまりないが、不法占有の問題を放置したまま引き取り手を見つけるのは困難だし、感情に起因する人間同士の話なので、雑木や擁壁のようにお金さえ出せば解決するという保証もない。

(5)法令による制限

 最後に、最も対処が難しい、場合によっては、もはやあきらめざるを得ないのが、各種法令によって建築が規制されてしまったケースである。

 具体的な法令の話になると複雑になるので簡単な説明に留めるが、その分譲地が開発された当時には適用されていなかった建築基準法、都市計画法、各自治体が定める建築規制条例などの各種法令が後に適用され、いつの間にか建築許可が下りなくなっているケースである。

 こうした法改正は、専門家や行政・業界関係者の間では周知の事実だが、一般向けのニュースメディアで逐一詳細に報じられることはないので、土地所有者は、「宅地」として購入したはずの自分の土地が建築不可になっている、という事実すら知らないことがある。たとえば、住宅も建てられていて、一見すると周囲にあるほかの分譲地と同じような住宅地に見えても、実は必要な許可申請も行われずに造成が強行された違反造成地で、周囲の家屋も建築許可を取っていない違反建築物だったというケースもある。

 建築基準法も都市計画法も、住宅の安全性や都市の住環境の改善を目的として制定されるものなので、よほどのことがない限り、規制緩和はほとんど期待できない。建築ラッシュが続いていた開発一辺倒の時代は、どさくさに紛れて建てられた違反建築物は珍しくなかったようだが(完成してしまうと行政も強硬措置は取りにくい)、今の限界ニュータウンは新築工事そのものが珍しいので、おかしな新築工事が行われていたらすぐに発覚する可能性が高い。

 特に「都市計画区域」の指定によって建築基準法が定める接道要件が適用され、建築不可(再建築不可)になるケースは現在でも珍しくなく、また建築基準法が適用される建物の構造についても近年、改正が行われている。長年放置している不動産を所有している場合は注意が必要だ。

 このほかにも、不法投棄の残土がうずたかく積み上げられ、そこから雑木が生えはじめて、もはや分譲地の原形すらとどめていなかったり、道路が崩落して到達不能になっていたり、ずさんな測量のために「公図混乱」が発生して、自分の土地の正確な所在地すら特定できなくなっていたりと、限界ニュータウンが建築不能となるケースは枚挙にいとまがない。

 法令上の規制を除き、いずれのケースも突き詰めて言えば、絶対に解決不能というよりは、問題となった土地について「問題を解決するための労力や費用に見合った資産価値がない」ことが根本的な要因としてある。不動産にかかわるさまざまな問題は、おおむねこの点に集約されると言っても過言ではないかもしれない。

配信元: ねとらぼ

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