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「家族が怪しい」子どもの行方不明事件で過熱する“犯人探し”の正体 慶應大・津田教授に聞く

「家族が怪しい」子どもの行方不明事件で過熱する“犯人探し”の正体 慶應大・津田教授に聞く

●なぜ「家族が犯人」と決めつけるのか

南丹市の事件では、SNS上で「家族が怪しい」「家族が犯人」という投稿が繰り返された。なぜ、人は「まだ何もわからない段階」で、推定無罪の感覚を手放してしまうのか。

津田教授は「過去の事件のフレーム」が強く影響しているとみる。

たとえば2006年、秋田県で起きた連続児童殺傷事件では、1人の被害児童の保護者が犯人だった。そうした過去の記憶の積み重ねが、現在の事件にも投影されてしまう。

「今回は『血のつながっていない親子』という事情もあり、過去のフレームに飛びつきやすかった部分があるのではないか」

●「わからない」まま留める『ネガティブ・リテラシー』の概念を

では、SNSの過熱を止める方法はあるのか。

津田教授が紹介するのは、メディア研究者・佐藤卓己氏が提唱する「ネガティブ・リテラシー」という考え方だ。わからないことを、わからないままネットに書かない。その自制こそが、SNS時代に求められるリテラシーだという。

「世の中の出来事は、そんなに綺麗に割り切れないし、わからないこともたくさんあります。それでも人は“わからない状態”に耐えるのが苦手です。だから、わかりやすい物語を作ってしまうし、それを信じてしまう。でも、本当に大事なのは『わからないよね』の状態で立ち止まることなんです」

ただし、それは簡単ではない。

「黙るというのは、おもしろい解決策ではない。だから実践は難しい」

だからこそ、「事件に入れ込みすぎないこと」が現実的な落としどころになるのではないか、と津田教授は語る。

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