■「割り算でつまずく子は、本当に多い」
これまでに出版した書籍はおよそ7冊。最新刊『だれでもすぐに算数が得意になる本』では、特に「割り算」に焦点を当てています。なぜなのでしょうか。
「僕がバイトしていた塾は、そもそも勉強が苦手な子たちが通う学習塾でした。そこで、割り算が苦手な子が本当に多いなと感じていたんです。算数が得意な人と、苦手な人では、割り算に対して持っているイメージが、全然違うんですよね」
では、算数が得意な人が割り算に対して持っているイメージ、とは……?
「それが、本の中でずっと言っている“基準を作る”という考え方なんです。算数が苦手な子は、この基準を持っていないんじゃないかな」
たとえば、「15÷5」だったら、「15個のりんごを5人で分けたら、1人何個?」という“分ける”の概念で教わることが多くあります。
しかし、あきとんとんさんはこの場合「5を1セットの基準にする」という考え方から教えていくといいます。
「算数が得意な人は当たり前のように、その“基準”の感覚を持っています。だから数学が得意でそれを教える仕事をしている先生は『え、みんな持ってるよね? 教えるまでもないよね?』と、いわゆる“常識”の前提で授業をしてしまっているかもしれません。だからこそ、僕は『それをちゃんと教えたい』と思いました」
また、生徒に勉強を教える中でもうひとつ気づいたことが、「勉強が苦手な人ほど、『得意な人は1発で全部分かっている』と思い込んでいる」ということ。
「1回で授業や本の内容を理解できる人のほうが、実は少ないと思っています。実際は、勉強が得意な人も、1回目はなんとなくで進めていて、3周くらいしたときに、ようやく完全に分かる、ということが多いんです。間違えるのは当たり前。その間違いを、少しずつ丸にしていく努力をしてほしいですね」
つまずきの要因を理解したうえで、楽しく、わかりやすい授業で、子どもたちの勉強意欲を育むあきとんとんさん。
保護者には「とにかく褒めてほしい」と訴えます。
「小学生でも、中学生でも、高校生でも、大学生になっても、親に褒められて嫌な人はいません。ちょっとでもできるようになったことがあれば、そこを褒めてほしい。結果や間違いよりも、取り組もうとした姿勢に目を向けてほしいですし、『今日勉強してる、すごい』それだけでも十分です。お子さんの味方になってあげてください」
