卵に含まれる栄養素

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に基づく基準値では、特殊な栄養強化飼料を与えていない通常の鶏卵の成分値が収載されています。一方で近年では、飼料や飼育環境の工夫により、ビタミンや脂肪酸など特定の栄養素を強化した付加価値の高い卵も多く流通していますので、目的に応じて選ぶのもおすすめです。
たんぱく質
たんぱく質は、体をつくる重要な栄養素で、筋肉や臓器、皮膚、髪などの材料となります。たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成され、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事から摂る必要があります。食品に含まれるたんぱく質が、必須アミノ酸をどれだけバランスよく含むかを示す指標が「アミノ酸スコア」です。スコアが100に近いほど良質なたんぱく質とされます。
鶏卵はアミノ酸スコアが100で、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質源です。
脂質
脂質は、体にとって重要なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料として、体の機能維持に欠かせない栄養素です。
鶏卵の脂質はコレステロールが注目されがちですが、リン脂質の一種であるレシチンや、リノール酸・オレイン酸などの不飽和脂肪酸も含まれています。そのため、卵は特定の脂質を補うだけでなく、日々の食事の中でさまざまな脂質をバランスよく摂ることができる食品です。なお、脂質のほとんどは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、体内での化学反応を助け、体の機能維持に役立つ栄養素です。水に溶けにくく油脂に溶けやすい性質があり、体内に蓄積されやすい特徴があります。
鶏卵には、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンが含まれます。脂溶性ビタミンは加熱による損失が少なく、油と一緒に摂ることで吸収が高まります。
例えば、目玉焼きやオムレツ、またはアボカドやナッツなどの良質な脂質と組み合わせることで、効率よく取り入れることができ、抗酸化作用や骨の健康維持に役立つと考えられます。また、これらの多くは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、体内での化学反応を助け、体の機能を維持するのに役立ちます。水に溶けやすく油には溶けにくいため、体内に留まりにくく排泄されやすいのが特徴で、毎日の食事から継続的に摂ることが大切です。
鶏卵にはビタミンCはほとんど含まれませんが、ビタミンB群を中心とした水溶性ビタミンが含まれています。ビタミンB群は熱や水に弱いため、生や半熟で食べると効率よく摂ることができます。また、卵白に含まれるアビジンという成分が、ビオチン(ビタミンB7)の吸収を妨げることがありますが、ゆで卵や半熟卵にするとその影響を減らせます。
このように、目的に応じて調理法を選ぶことで、卵の栄養を無駄なく摂ることができます。
ミネラル
ミネラルは、体の構成成分になるほか、体の調子を整えるために欠かせない栄養素です。体内で合成できないため、食事からバランスよく摂ることが重要です。
鶏卵には、リン、鉄、亜鉛のほか、カリウムやマグネシウムなどさまざまなミネラルが含まれています。これらは骨や歯の形成、赤血球の生成、神経や筋肉の働きなど、体のさまざまな機能を支える重要な栄養素です。卵は毎日の食事に取り入れやすく、無理なく補える食品のひとつです。
卵の健康効果

筋肉や体力の維持をサポート
卵は良質なたんぱく質を含み、筋肉や体づくりに欠かせない栄養素を手軽に補える食品です。朝食に取り入れることで、活動に必要なたんぱく質を補いやすく、一日のコンディションづくりに役立つと考えられます。
皮膚や髪の健康、体調をサポート
卵はたんぱく質やビタミンB群、ミネラルなどを含み、皮膚や髪の材料となる栄養素を補うことができます。これらは体の調子を整える働きにも関わっており、日々のコンディションづくりに役立つと考えられます。
免疫機能の維持をサポート
卵には、ビタミンAやビタミンD、亜鉛など、免疫機能の維持に関わる栄養素が含まれています。これらは体を守る働きに関わる栄養素であり、日々の食事に取り入れることで体調管理に役立つと考えられます。
脳や神経の働きをサポート
卵には、脳や神経の働きに関わるコリンが含まれています。コリンは神経伝達物質の材料となる栄養素で、日々の食事から取り入れることで、脳の健康維持に役立つと考えられています。
目の健康をサポート
卵にはビタミンAに加え、ルテインやゼアキサンチンといった成分が含まれています。これらは光によるダメージから目を守る働きがあるとされ、目の健康維持に関わる成分として知られています。

