脳波検査の費用はいくら?メディカルドック監修医が、脳波検査にかかる費用の目安(保険適用や自費の場合)や、検査でわかること、入院が必要なケースについて分かりやすく解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
脳波検査の費用はいくらかかる?
脳波検査は、頭皮に電極をつけて脳の電気的な活動を記録する検査です。てんかんや意識障害、睡眠中の異常な症状などが疑われるときに行われ、検査の種類や保険適用の有無によって費用は変わります。まずは、通常の脳波検査と自費診療で受ける検査の違いを整理しておきましょう。
脳波検査の保険適用になる条件と費用の目安
脳波検査は、てんかん、けいれん、意識消失、意識障害、中枢神経系の異常が疑われる場合など、医師が診断や経過観察に必要と判断したときに保険適用で行われます。現行の診療報酬では、通常の脳波検査は720点、これに脳波検査判断料180点または350点が加わるため、検査自体は900〜1,070点が目安です。3割負担なら、検査部分だけでおおむね2,700〜3,210円となり、ここに初診料・再診料などが加わります。睡眠賦活検査や薬物賦活検査を追加した場合は250点加算されます。なお、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合に行う終夜睡眠ポリグラフィーは別区分で、通常の脳波検査とは費用体系が異なります。
自費診療(脳ドックなど)の場合の費用
健康診断や脳ドックの一環として受ける検査は、症状に基づく保険診療ではないため、原則として自費になります。自費の脳波検査や脳機能評価の価格設定は医療機関ごとの差が大きいです。一般的な脳ドックでは、頭部MRIやMRA、頸動脈超音波検査などを行います。約3〜5万円としている場合が多く、これに脳波検査をオプションとしてつけると約8,000円が追加されると考えられます。また、睡眠検査として脳波を在宅で計測する場合、約2〜3万円の場合もあります。脳波や解析を追加する場合はさらに費用が上がることがあります。特に、脳波検査にMRI検査などを含めるかどうかなど、検査内容の違いによって価格は決まります。そのため、自分が受けようとするドックなどに何の検査が含まれているのかを確認することが大切です。
脳波検査で医療費の負担を減らす制度はある?
てんかんで継続的な通院治療が必要な場合は、自立支援医療(精神通院医療)の対象になることがあります。厚生労働省は、てんかんを精神通院医療の対象に含めており、外来での診療や投薬などの自己負担軽減につながる可能性があります。ただし、すべての検査や入院が一律に対象になるわけではないため、主治医や自治体窓口で確認しておくと安心です。
脳波検査でわかることや入院が必要なケースは?
脳波検査は、脳の形を見るMRIやCTとは異なり、脳の働き方の変化を捉える検査です。症状の出方や検査時間によっては、通常の外来検査だけでなく、長時間記録や入院検査が必要になることもあります。
脳波検査から見えてくる脳のサイン
脳波検査では、てんかんに特徴的な異常波のほか、脳炎、脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、頭部外傷、中毒に伴う意識障害などでみられる脳機能の乱れを評価することがあります。ただし、脳波だけで病名が確定するとは限らず、症状や画像検査、血液検査などと合わせて総合的に判断されます。
脳波検査はADHDなどの発達障害やてんかんもわかる?
てんかんでは脳波が診断に役立つ場面が多く、発作のない時間帯でも、てんかん性の所見が見つかることがあります。一方で、ADHDは脳波だけで診断できる病気ではありません。定量的脳波検査(QEEG)は脳波を数値化して解析する方法ですが、日本の通常診療でADHDの標準診断法として確立しているわけではなく、施設によって自費で実施されているのが実情です。海外では補助的な活用例があるものの、評価には賛否があり、QEEGの結果だけでADHDや自閉スペクトラム症を判断するのは適切ではありません。
脳波検査で長時間の記録や入院が必要なケースとは?
通常の脳波検査は1時間前後で終わることが多い一方、発作の回数が少ない、睡眠中に症状が出やすい、発作時の様子と脳波を同時に確認したいといった場合には、長時間ビデオ脳波記録や入院での検査が検討されます。

