水平線が待つ、海辺の静かな止まり木

上/カフェの大きな窓に切り取られているのは、きらめく海とどこまでも続く水平線。外の景色を眺めたり、本を読んだり、過ごし方は思いのまま 下/生クリームを贅沢に使い、外はさくさく、中はしっとり焼きあげた自家製スコーンと季節のジャム600円、葉山「THE FIVE BEANS COFFEE」によるオリジナルブレンド500円
散策の最後、海の気配に誘われてたどり着いたのが、今年10周年を迎えた6室だけの小さな宿「hotel aiaoi」 。昭和の面影を残す古いビルの階段を上がった先に広がるのは、観光地の中心であることを忘れる静謐な空間だ。とはいえ、ここは宿泊者だけの特別な場所ではない。ホテルのエントランスはカフェとしての顔も持ち、ひと息つきたいときにふらりと階段を上がれば、誰でもその静寂を分かち合うことができる。「ホテルはもちろん、カフェでも本を開く方が多いですよ」と話す、オーナーの小室剛さんと裕子さん。ただ静かに本を読みたいと思ったとき、この場所を思い出して扉をたたいてくれるゲストの存在が、なによりの喜びだという。
一方で、宿泊の体験はさらに深い安らぎへと導いてくれる。岡山で丁寧に縫製されたオリジナルの寝間着や、足裏に心地よいなぐりの床。肌に触れるものすべてに注がれた誠実なこだわりが、日常で凝り固まった心身を解きほぐしていく。「小さくとも、この場所を大切に守っていきたい」。そんなふたりの静かな決意が、やさしく穏やかな空気をつくっている。1日の終わりに、あるいは長谷散策の始まりに。外の喧騒が嘘のように遠のく空間で、自分自身へと帰る時間を過ごしたい。
スポットデータ|hotel aiaoi(ホテル アイアオイ)長谷/宿・カフェ
TEL.0467-22-6789
住所/神奈川県鎌倉市長谷2-16-15サイトウビル3F
営業時間/カフェ10:00?12:00 15:00?20:00
定休日/Instagram:@hotel_aiaoi で要確認
価格例/自家製スコーンと季節のジャム600円、葉山「THE FIVE BEANS COFFEE」オリジナルブレンド500円
アクセス/長谷駅より徒歩2分

