脳出血の手術によるリスク
脳出血の手術には、一定のリスクを伴います。ここでは脳出血の手術による5つのリスクを解説します。
再出血
脳出血の手術後には、血腫を取り除いた部位やその周囲から再び出血する可能性があります。再度出血し、意識状態の悪化がみられた場合には再手術が検討されることもあります。
脳梗塞
脳出血の手術中や手術後には、手術操作が血管への刺激となって脳の血管が詰まってしまうことがあります。高血圧は出血のリスクを伴いますが、逆に血圧が下がると脳への血流が不足します。
そのため、脳出血時には適切な血圧・全身管理が重要です。
髄液漏や髄膜炎
頭蓋内には、脳や脊髄を守るための髄液があります。髄液は本来、硬膜という膜の内側に存在していますが、脳出血のときにはこの硬膜を開いて血腫を取り除きます。その後、硬膜は縫合されますが、この隙間から髄液が漏れた状態が髄液漏です。
また、創部や留置されたドレーンから細菌が侵入した場合は、髄膜炎を起こす可能性があります。
脳組織の損傷
出血した血腫を物理的に取り除く手術操作の過程で、隣接する正常な脳組織を微細に損傷するリスクが伴います。たとえ救命が目的であっても、正常組織が損傷を受けると麻痺や言語障害といった後遺症が残る恐れを否定できません。
創部の癒合不全
糖尿病や栄養状態不良の方、感染状態や血流の乏しい組織の場合には、術後の傷口が塞がらない癒合不全を招きやすくなります。癒合不全は深刻な二次感染や再手術の要因となるため、術後は専門的な栄養管理や徹底した感染予防対策が欠かせません。
脳出血の手術以外の治療法
脳出血のときには、手術以外の治療が行われることもあります。ここでは、脳出血のときに行われる手術以外の2つの治療法を解説します。
投薬による保存療法
脳出血は、出血量や重症度によって手術の適応かどうかを判断します。出血量が少ない場合や、手術のリスクが高い場合などに保存療法が選択されます。手術適応外の際に行われる主要な治療は、出血の拡大を抑えるための降圧薬を用いた厳密な血圧管理です。
また、出血が起こるとその周囲の脳にはむくみが起こりやすくなります。そのため、脳圧を下げる薬を点滴投与することで脳の腫れを抑制し、二次的な脳損傷を極力留めます。
リハビリテーション
脳出血を発症すると、手足の麻痺や言語障害といった日常生活に不可欠な身体機能が失われる恐れがあります。発症後は、症状に応じたリハビリテーションの早期開始が大切です。リハビリテーションの内容は多岐にわたり、理学療法や作業療法、言語療法などによって失われた機能の回復を図ります。

