台湾料理店併設ギャラリーで味わう、開かれた鑑賞体験

会場となる「アートかビーフンか白厨」は、ArtStickerを運営するThe Chain Museumがプロデュースする、台湾料理を楽しめるアートギャラリーです。
店名にある「白厨」は、ホワイトキューブへの憧れと、キッチンから漂う安心感や温かみを組み合わせた造語。ギャラリー空間で作品を鑑賞することも、飲食スペースで食事をすることもでき、ドリンクを片手に作品と向き合うことも可能です。
和田が本展で試みる「作品と鑑賞者が相互に作用するための装置」は、この場所ならではの環境と深く結びついています。作品を見る人、食事をする人、調理場で働く人、窓の外を行き交う人々。そうした複数の視線や動きが重なることで、展示空間そのものがひとつの生きたインスタレーションのように感じられるかもしれません。
アートかビーフンか白厨(パイチュウ)
初挑戦の木版画、刺繍、立体など多彩な新作を展開
photo by Kenji Takahashi ©Sakura Wada, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
本展では、大型キャンバス作品に加え、刺繍、木材を用いたオブジェ、そして和田にとって新たな表現となる木版画も登場します。
生活に馴染みのある素材や手触りを取り入れながら、絵画の枠組みを拡張してきた和田。異なる素材が組み合わさることで、作品は平面にとどまらず、空間や身体感覚をともなうものへと広がっていきます。
絵画、刺繍、立体、版画。それぞれのメディアが持つ質感や時間の層を通して、〈狼男〉というモチーフもまた、ひとつの姿に固定されることなく、複数のイメージへと変化していくでしょう。
