●「家族とわかると解雇される」「支援者への支援が必要だ」
事件が、家族の人生を長期的に狂わせる現実も明らかになった。
逮捕時点ですでに就職していた大人と異なり、死刑確定後に就労年齢に達した家族の中には、「死刑確定者の家族であることを理由に就職できない」「就職できても家族であることが発覚すると解雇される」といった経験を繰り返した人がいたという。
また、死刑確定者と関わり続ける負担について語る人もいた。
ある人は、差し入れや面会などへの対応と自身の仕事で手一杯になり、子どものケアが十分にできなかったと振り返り、「死刑確定者の支援をする人に対する支援が必要だ」とうったえた。
さらに、死刑確定者の健康状態やどんな医療を受けているかについて拘置所側から十分な説明がなく、差し入れた物品が本人に届いているかも確認できないなどといった不満の声も上がった。
逮捕直後、「率直に話せる知人や相談相手がいた」と答えた人は一人もいなかった。
中には、第一審の弁護人に助けを求めたところ、「あきらめてください」と言われた人もいたという。
●周囲の支えに助けられたケースも
一方で、周囲の理解や支援に助けられたケースもあった。
地域のつながりが強い地域に暮らしていたという人は、事件後、近隣住民が心配して食べ物などを持って自宅を訪問してくれた。
また、事件後に家に引きこもっていたが、職場から「気にせず出勤するように」と励まされ、仕事に復帰できた人もいた。別の人も、職場に事情を説明して、仕事を続けられたという。

