旅はホワイエから始まる
展覧会の体験は、会場に入る前から始まります。ホワイエには、銀河鉄道をイメージした客車が置かれ、来場者はその座席に腰掛けながら、物語の旅立ちへと導かれていきます。
第4会場(ホワイエ)のようす©松本零士/零時社・東映アニメーション
車窓に広がる銀河。地球へと向かう999号。そして、いま地球に帰還した列車に、私たちが再び乗り込むような導入。その先に待っているのは、出発駅「メガロポリス・ステーション」です。ここから来場者は、鉄郎とメーテルの旅をただ眺めるのではなく、自らも銀河へ向かう乗客として物語の中へ入っていきます。
“没入”を超え、そこに存在する感覚へ
移動した第一会場では、約1,000平方メートルの空間に、32台の最新4Kレーザープロジェクターを用いた映像が展開されます。壁面だけでなく、足元の床面までが作品の一部となり、来場者は光と音に包まれながら、まるで銀河の中に立っているような感覚を味わいます。
第1会場のようす©松本零士/零時社・東映アニメーション
宮下さんは、従来のイマーシブ展示について、床面と壁面に2D映像を投影し、その映像に包まれる体験だったと説明しました。それに対して本展で目指したのは、四角い部屋であることを忘れてしまうほど、空間そのものの中に入り込む感覚。つまり、映像を「鑑賞する」のではなく、物語の世界に「存在する」体験です。
