まずは「悪材料の出た銘柄を売り、好材料の出た銘柄を買う」ことから
私はファンドマネジャー時代、何万回というトレードをやりましたが、何を売るか思案するとき、益出しか損切りかを考えることはほとんどありませんでした。
常に考えていたのは、「悪材料の出た銘柄を売り、好材料の出た銘柄を買う」ことだけです。
結果としてそれが、長年にわたり良い成績をあげられた理由です。私だけでなく、好成績をあげるファンドマネジャーにとって、売り銘柄を選ぶとき、「益出しか損切りか意識しない」ことは常識です。
私が行っていたのは、すべてアクティブ運用ファンドです。そのため、インデックスファンドに負けると存在意義がありません。
ベンチマークである東証株価指数(配当込み)に負けないように必死に運用していました。東証株価指数が下がるときは、ベンチマークより低い下落率に留まるように、そして東証株価指数が上がるときはベンチマークより大きい上昇率になるように努力してきました。
毎日、自分のポートフォリオが東証株価指数に何%勝ったか、何%負けたか、数字が出てきます。勝ち続けているときはそのまま動かしませんが、何日も続けて負けるときは、応急処置が必要です。
とりあえず、負ける原因を取り除くことから始めます。
つまり、ポートフォリオの足を引っ張っている下落銘柄を売ることからスタートします。良い銘柄を買うことも大切ですが、悪い銘柄を持ち続けないことが、長期的に良い成績をあげ続けるのにとても大切だとわかっているからです。
みなさんに、私と同じことをやりなさい、と言うつもりは毛頭ありません。一日中、運用業務をやっているファンドマネジャーと同じことを、ほかに仕事や生活を抱えながらやることはおそらく困難でしょう。
ポートフォリオの見直しは6か月に一度でいい
ファンドマネジャーは毎日ポートフォリオを見ていますが、じつはそんなにずっと見ている必要はありません。
6か月に一度、自分が投資している全銘柄の成績表を作ってください。

その6か月で、
・日経平均株価に勝った(日経平均株価よりも上昇率が大きい、あるいは日経平均株価よりも下落率が小さい)銘柄はどれか
・日経平均株価に負けた(日経平均株価よりも上昇率が小さい、あるいは日経平均株価よりも下落率が大きい)銘柄はどれか
この2点をチェックしてください。
そこで、大失敗銘柄をさらに持ち続けるべきか考えてください。
私はファンドマネジャー時代、3か月に一度、四半期報告書を作って、運用委託者(年金基金など)に説明に行っていました。
3か月間、ベンチマーク(配当込みTOPIX)に何%勝ったか負けたか、その要因は何かを報告していたのです。
今振り返ると、3か月に一度、大きな流れをチェックすることが「負けを取り除き、勝ちを広げていく」のに有用だったと感じます。

