セロトニンが生まれつき少ない原因

遺伝的要因(セロトニントランスポーター遺伝子)
セロトニンの量を調節する「セロトニントランスポーター」というタンパク質の遺伝子には主に2種類のタイプがあります。「L型(Long型)」と「S型(Short型)」です。日本人には「S型」の人が多く、この「S型」を持つと、セロトニンの再利用効率が低く不安を感じやすく、うつ病にもかかりやすいとされ、かつて大きな話題となりました。
しかし、近年の大規模な研究では、強い相互作用があるとは言い切れないとする報告もあり、結論は一様ではありません。
性差(脳内合成能の違い)
脳科学の研究(PET検査を用いた研究など)によると、男性に比べて女性は脳内でのセロトニン合成能力(作るスピード)が低い傾向があることが示されています(男性の方が約52%高いという報告もあります)。そのため、女性はホルモンバランスの変化(月経、出産、更年期)と合わさって、セロトニン不足による不調を感じやすい傾向にあります。
幼少期のストレス(エピジェネティクス)
生まれ持った遺伝子だけでなく、育った環境も影響します。幼少期に強いストレスや愛情不足などの環境に置かれると、遺伝子のスイッチの入り方(エピジェネティクス)が変化し、大人になってからストレスに対して敏感になったり、セロトニン機能が低下しやすくなったりすることが研究で示唆されています。
「セロトニンの不足」についてよくある質問
ここまでセロトニンの不足について紹介しました。ここでは「セロトニンの不足」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

セロトニンをたくさん出す方法はありますか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
一気に増やす魔法はありませんが、「朝の光」と「リズム運動」が最強のスイッチです。朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びましょう(15分〜30分)。そして、「歩く」「階段を使う」「よく噛んで食べる」といったリズム運動を意識してください。ガムを噛むだけでも脳への刺激になります。これを毎日続けることで、脳のセロトニン神経が鍛えられます。
セロトニンを増やす食べ物について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
セロトニンの材料となる「トリプトファン」、合成を助ける「ビタミンB6」、そして脳への取り込みを助ける「炭水化物」の3つをバランスよく摂ることが大切です。これらを効率よく含んでいるのがバナナです。また、朝食に「ご飯(炭水化物)+納豆・味噌汁(大豆製品:トリプトファン)+焼き魚(ビタミンB6)」という和食メニューを摂ることは、理にかなった最強のセロトニン食と言えます。
セロトニンが不足しているかどうかのセルフチェック法を教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
以下の項目に当てはまるものが多いほど、セロトニン不足の可能性が高いと考えられます。
・朝起きたとき疲労感が強く、すっきり目覚められない。
・夜型生活になりやすく、昼夜逆転ぎみである。
・日中に日光を浴びる時間が極端に少ない。
・運動習慣がなく、ほとんど体を動かさない。
・イライラしやすく、ちょっとしたことで怒りがちになる。
・集中力が続かず、物事に注意が向けられない。
・疲れやすく、常に体がだるい感じがする。
該当項目が多い方は、生活習慣の改善(朝の光、運動、食事など)をぜひ試してみてください。

