老健への申込みから入所までの流れ

老健への入所準備は、現在の本人の居場所によって異なります。病院に入院中の場合は退院後のリハビリ目的、在宅の場合は在宅生活が困難になったときの立て直しなどを目的に検討します。
施設選びと申込み
最初に、希望する地域にある老健を探します。入院中は病院のソーシャルワーカーに、在宅なら担当のケアマネジャーに相談しましょう。厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、各施設の在宅復帰率や設備を確認できます。
申込みの際は施設に直接連絡をとって、見学や面談の予約を取ります。利用者の現状と家族の意向もこのタイミングで伝えましょう。
必要書類の提出
申込みにあたって必要な書類は、施設に確認しましょう。指定の書式がある場合があります。また、作成までに時間がかかる可能性もあるため、申請してからどのくらいの期間で発行されるか、書類の有効期限なども確認しておくといいでしょう。主な必要書類には以下のようなものがあります。
介護保険被保険者証(原本)
介護保険負担割合証
後期高齢者医療被保険者証(または健康保険証)
介護保険負担限度額認定証(対象者のみ)
診療情報提供書(紹介状)
健康診断書(施設指定の様式)
お薬手帳(または処方内容のわかる書類)
入所申込書、同意書(各施設所定の様式)
本人および身元引受人(保証人)の印鑑、身分証明書
住民票、戸籍謄本など
本人と家族の確認、利用条件を満たす要介護認定を受けていること、現在の健康状態の証明、負担額軽減の証明などのために提出が必要です。
施設による入所判定
書類が揃うと、施設内で入所判定会議が行われます。施設長の医師、看護師長、リハビリ責任者、支援相談員、ケアマネジャー、介護主任などの多職種によって、以下の視点から検討されます。
医療への依存度:自施設の看護体制で対応可能か
リハビリの適応:リハビリによって在宅復帰の可能性があるか
共同生活の可否:認知症症状などがほかの入所者に影響を及ぼさないか
空き状況:男女比や個室、多床室の空き状況のバランスがとれるか
施設に入所が承認されれば、契約日と入所日が決定します。
老健の在籍期間と退所後の行き先

老健を利用する側にとって不安になりやすいのが在籍期間です。老健は病院と自宅の中間に位置づけられている施設であり、入所した日から退所に向けた準備が始まります。終身利用を目的とした特養や介護医療院とは異なる施設です。
在籍期間の目安
老健の入所期間は、3~6ヶ月が目安とされています。これは、老健は3ヶ月ごとに入所継続の必要性を判定しなければならない、と定められているためです。
集中的なリハビリで早期に回復して自宅へ戻れる場合は3ヶ月以内、自宅の改修や家族の介護準備に時間がかかる場合は3~6ヶ月と考えられます。
それ以上の長期滞在になると、病状が不安定だったり、自宅への復帰は難しかったりするものの他施設の空き待ちをしている、などの特殊な場合が想定されます。
退所後に在宅復帰できる場合
在宅復帰が決まると、ケアマネジャーと連携して退所前訪問指導が行われます。手すりや段差解消に対する住宅改修の提案、試験的な外泊、オムツ交換や移乗介助の方法などの家族指導、介護福祉サービスによるケアプランの決定などが含まれます。
在宅復帰が決まると、施設スタッフと地域のケアマネジャーが連携して、自宅環境を整えます。
老健の大きな強みは、リハビリスタッフ(PT、OT)による退所前訪問指導が行われることです。専門職が実際に自宅を訪れ、玄関の段差、トイレの動線、お風呂の入りやすさをチェックし、必要な手すりの設置や段差解消などの住宅改修箇所を具体的にアドバイスします。
また、退所後にデイケアや訪問看護をどのタイミングで入れるか、などのケアプランの作成も、この時期に並行して進められます。さらに、必要に応じて外泊訓練を行い、実際に1泊2日など短期間帰宅して課題を確認します。課題をリハビリ計画やケアプランにフィードバックして、万全の体制を作るためです。このように、老健はリハビリして終わりの施設ではなく、その後の生活までサポートしてくれます。
退所後に在宅復帰が困難な場合
3~6ヶ月経過しても自宅へ戻る見込みが立たない、または家族の介護力が限界に達している場合、施設を移動する必要があります。以下のような選択肢が考えられます。
特別養護老人ホーム(特養)への入所
介護医療院、療養病床への入所
ほかの老健への転所
民間施設(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)への移行
要介護3以上であれば、特養の待機リストに登録します。老健から特養への移行は施設から施設の移動となるため、各施設の相談員が連携を取ります。また、さらにリハビリの継続が必要だと判断された場合、別の老健へ移ることもあります。これはローテーションとも呼ばれる転所です。
病状が悪化して、より高度な医療ケアが必要になった場合は介護医療院や医療機関の療養病床が候補に挙がります。
民間施設の利用は、経済的な余裕がある場合や、手厚いサービスを希望する場合に候補となります。

