新発見の肉筆画《鴛鴦図》から見る、暁斎初期の画風
鴛鴦図
本展では、新たに発見された肉筆画《鴛鴦図》も全国初公開されます。
暁斎は生涯に数千点もの作品を残したともいわれていますが、20代前半の肉筆画は現存数が極めて少なく、その初期画業にはいまだ不明な点が多く残されています。
《鴛鴦図》は、20代前半に描かれたと推測される貴重な作品です。江戸狩野派の画風を色濃く残しており、後年の自在で大胆な表現へとつながる、若き暁斎の出発点をうかがうことができます。
“画鬼”と呼ばれるほど奔放な表現で知られる暁斎にも、狩野派の伝統を丹念に学んだ時期があった。その事実を実感できる点でも、本作は重要な意味を持っています。
秘蔵の名品《惺々暁斎団扇絵聚画帖》を紹介
惺々暁斎団扇絵聚画帖/神功皇后 武内宿禰 見立端午節句人形図
もうひとつ見逃せないのが、肉筆の団扇絵15枚を収めた画帖《惺々暁斎団扇絵聚画帖》です。
本作は、上質な画材を惜しみなく用い、細部まで描き込まれた極彩色の作品。現存する肉筆団扇絵の画帖としては他に例がないとされ、2019年にサントリー美術館で開催された「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展でも名品として紹介されました。
団扇絵という身近な形式の中に、暁斎の技巧と美意識が凝縮されている点が大きな魅力です。日常に近い支持体でありながら、そこに注ぎ込まれた描写は極めて濃密。暁斎がいかに幅広い表現形式に本気で向き合っていたかを示す作品といえるでしょう。
このほか、《神功皇后 武内宿禰 見立端午節句人形図》《雪中鷲兎図》《巨勢金岡作画図》など、暁斎の深い教養と卓越した画技を味わえる作品が並びます。
