特殊ミルクももはや不要? 患者さんの人生をどう変えるのか
この試験に参加した、育児と仕事を両立しながら食事療法に励んでいる40代女性の事例を紹介します。従来薬のサプロプテリンを服用しながら低タンパク食を続けているにもかかわらず、日常でも目標値を達成できない状態でした。食事療法をやめるとフェニルアラニンの血中濃度は約800µmol/Lまで上昇し、頭に霧がかかったような感覚(ブレインフォグ)になって仕事に支障が出るような状態でした。セピアプテリンを服用したところ、食事を変えずに血中濃度が118µmol/Lまで一気に低下しました。その後、食事制限を緩和し、長年飲み続けてきた特殊ミルクも「もういらないのではないか」というほど状況が改善しました。
同薬は0歳の赤ちゃんから成人まで、ほぼすべてのタイプのPKU患者さんに使用可能です。幼少期から同薬を使用できれば、過度な食事制限による発達への悪影響(アンヘルシーな制限)を避け、自然な食事で成長できる可能性があります。
また、現在は病院から足が遠のいている成人患者さんへの恩恵も期待されています。かつてのガイドラインでは「大人になれば食事制限はやめてもいい」とされていました。ところが食事療法を中断することで、うつになったり精神疾患を発症したりすることが分かり、現在では生涯継続が推奨されています。
新しい治療法の登場により、成人患者さんが再び医療に繋がり、健康な社会生活を取り戻すきっかけになることが望まれます。
*本稿には特定の医薬品、治療法についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
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