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「警察発表を垂れ流しているだけ」袴田事件生んだ“静岡”でメディア提訴、事件報道の責任問う

「警察発表を垂れ流しているだけ」袴田事件生んだ“静岡”でメディア提訴、事件報道の責任問う

●逮捕の17日後に実名報道、不起訴は匿名

静岡県警は2021年12月10日、共犯とされた人物を逮捕。翌11日、11月に男性を逮捕していた事実とあわせ、メディアに発表した。

SBSは12月11日と13日のニュースで、男性が自宅から連行される映像とともに実名で報道。静岡新聞も12月12日付朝刊で、男性の名前や職業、住所を報じた。

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男性は12月14日に処分保留で釈放された。角替弁護士はこの日、SBSや静岡新聞などの報道機関に対し、男性が被疑事実を否認していることや、男性の逮捕報道があった時には証拠不十分で釈放となることが決まっていたことなどを挙げ、男性を実名で報じた記事の削除や訂正を求めた。

男性は12月28日に不起訴となり、角替弁護士は「不起訴も実名で報じてほしい」と依頼したが、SBSや静岡新聞は男性が不起訴になったことと、検察庁が不起訴の理由を明らかにしていないことを匿名で報道した。

●「警察広報に過ぎない」と提訴

「逮捕から期間がたった今も、出回ったインターネット情報を検索されることを恐れ、名刺交換さえできない状況だ」

男性は2022年、警察による捜査情報のリークや、実名や容貌の報道がプライバシー権侵害などにあたるとして、静岡県とSBS・静岡新聞社に対して、計330万円の損害賠償を求めて提訴した。

一審・静岡地裁(平山馨裁判長)は2025年10月、SBSが2021年12月13日に放送したニュースについて、その時点までに共犯者が「原告(男性)には暗号資産が他人のものであると伝えていなかった」という旨の供述をしていることをSBSの記者が掴んでいた点を挙げ、男性への「嫌疑を揺るがすに十分なもの」と指摘。

そのうえで、追加取材をしないまま、漫然と男性の実名や逮捕映像を用いて報道したことについて、プライバシー権や肖像権を違法に侵害し、名誉を毀損する不法行為にあたると判断してSBSに55万円の支払いを命じた。

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一方、県警による記者発表や事前の情報提供については、捜査権行使の適正性を市民に検証させる意義や広報の寄与があるとして、違法性を否定。

また、2021年12月11日、12日の報道については、原告に対する犯罪嫌疑に「相当程度の濃さを有するものであった」などとして、名誉毀損などの不法行為には当たらないと判断し、そのほかの請求は棄却した。

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