脳トレ四択クイズ | Merkystyle
血液疾患治療の進歩がもたらした“新たな課題”への挑戦―「HEMA-Bridge」プロジェクトが始動

血液疾患治療の進歩がもたらした“新たな課題”への挑戦―「HEMA-Bridge」プロジェクトが始動

「HEMA-Bridge」プロジェクトとは

こうした現状を打破すべく、日本血液学会、地域の医師会、ノバルティスファーマが協力し、患者さんの負担軽減と地域医療格差の是正を両立させる医療体制確立を目指す「HEMA-Bridge」プロジェクトが2026年4月に始動しました。本プロジェクトでは、基幹病院で治療を終えて病状が安定し、無治療で経過観察中の患者さんを地域のクリニックへ「逆紹介」し、日常的な診療を地域の内科医らに担ってもらう仕組み(病診連携)の構築を進めます。

「単に患者さんを紹介しっぱなしというわけではありません」と、本事業の責任者である日本血液学会理事(福島県立医科大学医学部血液内科学講座主任教授)の池添隆之先生は強調します。地域のクリニックで安心して診療を引き継げるよう、日本血液学会に所属する各領域の専門医が監修した「フォローアップガイド」が作成されました。このガイドには、疾患ごとの概要をはじめ、地域のクリニックで「どの程度の頻度で、どのような検査や診察を行うべきか」、そして「どのような異常が出れば基幹病院へ再紹介すべきか」が明記されています。これにより、日頃は血液疾患をあまり診ていない地域の医師でも安心して事業に参加でき、患者さんも住み慣れた地域でフォローアップを受けることができるようになります。治療が再び必要になった際は、速やかに基幹病院へ再紹介され、血液専門医が責任をもって対応する体制が整えられます。

対照的な2県からのスタート

本プロジェクトは、まずモデルケースとして福島県と三重県の2県でスタートします。この2県が選ばれたのには明確な理由があります。

三重県は、人口あたりの血液専門医の数が全国平均と比べて比較的多い県です。しかし、南北約180kmの細長い地形をしており、基幹病院や専門医が北中部(津市など)に集中しているため、南半分の地域(東紀州医療圏など)では高度な医療機関へのアクセスが非常に困難という特徴があります。三重県医師会の馬岡晋会長は、「南部では医師の高齢化と減少が進んでいます。県内の北でも南でも均等に医療・福祉・介護の恩恵を受けられるようにすることが最大の目標です。今回のプロジェクトがその解決策の一つになることを期待しています」と語ります。
一方、福島県は血液専門医数が全国平均を大きく下回り、特に会津や相双地区といった地方部では医師不足も顕著です。全国で3番目の面積という広さに加えて山間部や過疎地の広がりもあって、患者さんが基幹病院である福島県立医科大学附属病院を受診するために車で2〜3時間かけて移動しなければならない過酷な現状があります。福島県医師会の石塚尋朗会長は、「過疎化が進む地域でも、患者さんが公平に診察を受けられるシステムを作りたい。機能分化と集約化を進めるためにも、協力を惜しまないという方針です」と意気込みます。
専門医が多いが地域偏在がある「三重県」と、専門医の絶対数が少なく面積が広大な「福島県」。この対照的な二つの地域で連携のモデルを実証し、ノウハウを蓄積することで、将来的には全国のあらゆる地域へこのシステムを波及(横展開)させていくことが狙いです。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。