1日で4万1,000件。インターネット署名サイト「Change.org」(チェンジ・ドット・オーグ)に立ち上がった「阿部慎之助監督復帰を目指す」署名ページが集めた数字だ。6月5日までに東京ドームの収容人数と同じ4万3,500人を目標とするこのページは、26日の開設翌日午後5時には9割超に達し、さらにこのページ以外にも6つの署名ページが立ち上がっていた。25日夜の現行犯逮捕から26日の辞任受理まで、24時間にも満たなかった。Xでは「おじは強者・弱者問わず生きるのがしんどい時代だわ」という言葉が静かに広まった。
26日、巨人の山口寿一オーナーは阿部前監督と面会し、辞任の申し入れを受理した。報道陣に対し、オーナーは「娘さんが書かれた手紙は私も読みまして、そこに書かれている内容が事実その通りであろうと私は考えております」と述べつつも、「だからといって、暴力を振るったと、逮捕されたという事実が消すことができないでということであれば、監督の暴力というのは非常に重い出来事でありますので、辞任は避けられないと考えていました」と語った。今後の球団との関わりについても「今は何もないですよね。当分何もないでしょうね」。「数カ月休んで戻れるということはありえないと、もう昨夜のうちに考えました」と明かした。
「社会が許せばいい」「間違いなら元に戻すべき」
今回の問題を受けて、著名人の発言がXで広く引用された。弁護士の橋下徹氏は連続投稿で「児相・警察は子供を保護するためなら過剰気味に動けばいい。間違っていれば謝ればいい。その後当事者からきちんと説明があれば社会は許すべき」と述べた。同時に「ファン商売である巨人も、世間からの反発を気にしてこのような対応を取らざるを得ない。あとは社会の反応次第」とも指摘した。
ひろゆき氏は「真実と実態がわからないから一般論として。子どもの行動により、親の仕事を奪う事態が起きた時に、子どもの行動が間違いと判明したら、親の仕事を元に戻したほうがいいと思う。間違いだとわかったら、反省させ、元に戻し、成長する機会を与えるのが教育。子どもが間違いを犯せない社会は良くない」と投稿した。
「辞任しないならしないで復帰した時に針のむしろでしたでしょうからここは辞任で正解なのでは?」という声が示すように、辞任を「最善手」と見る視点もあった。
「過剰に人を叩いて潰す」
タレントの武井壮もXで、事件への直接の言及こそしなかったものの、こうつづった。
「過剰に人を保護するくせに過剰に人を叩いて潰す。何でもかんでも謝罪して何でもかんでも辞任する。なんでもないこと大騒ぎとんでもないことほど放置。今日はあのひと明日はこのひと誰かを叩いて大騒ぎ。何も言わない大半の聞くべき意見はそっちのけ。騒いで叩く声だけをつまんでニュースに取り上げて人の心のいやらしさだけをくすぐる体たらく。社会への善悪を論理的に全体像を見て、理性的に、妬みや恨み、感情だけで断罪しないSNSで誰もが見られる意見番のような存在の集団を作るべきだな」
暴力行為や虐待があってはならないことなのは言うまでもないが、「おじでなくおばでも状況を考えれば児相や警察の対応は順当。マスゴミや世論が大げさだってのは同意」という感想に見られるように、3万件の署名とこれらの投稿が示すのは、今回の一件が一人の野球監督の進退を超えた何かに触れている、ということかもしれない。

