糖尿病は血糖値・HbA1cがいくつからインスリン注射が必要になる?
糖尿病では、血糖値がどこまで上昇すればインスリン注射が必要になるのでしょうか。このくらいの血糖値であればインスリン注射を始めるというざっくりとした指標は存在します。順に説明します。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)の目安
まず、HbA1cと血糖値の関係をご説明します。血糖値とHbA1cの値が何らかの理由で乖離していない場合、HbA1cが6〜7%程度の時は、食後の血糖値のみの上昇であることが多いです。HbA1cが8%以上になってくると、食前の血糖値も上昇し始めます。食前の血糖値が上がっている時に、それを下げる効果のある内服薬はかなり限られています。このため、HbA1cが8%など、食前の血糖値が上昇していることが疑われる場合、インスリン注射を開始することが少なくありません。
空腹時や食後の血糖値の目安
2型糖尿病の場合、複数の薬剤を使用しても空腹時の血糖値が200mg/dLを超えるときなどにインスリン注射(とくに持効型インスリン注射)を考慮します。食後血糖値は食べたものや食べ方によって大きく変化するため、インスリン注射の必要性は基本的には食前血糖値で判断します。ただし、食後血糖値が著しく高い場合は、食事の度に打つ速効型インスリン注射も考慮します。
糖尿病の治療方針は医師が総合的に判断する
ひとくちに糖尿病といえど、1型に2型、ステロイド性、肝臓が悪い方の糖尿病、遺伝性など、様々な種類の糖尿病が存在します。また、生涯インスリンが必要である場合と、そうでない場合があります。2型糖尿病の場合は、一時的にインスリン注射が必要となっても、膵臓のインスリンを作る力さえ回復すればインスリン注射の継続は不要な場合もあります。基本的に、インスリンの開始・終了基準を含め、糖尿病の治療方針は医師が総合的に判断します。インスリンが必要と判断されたら、可能な限り注射を行うことが勧められます。
血液検査の「血糖値」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「血糖値」の異常から疑われる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
糖尿病(2型糖尿病・1型糖尿病)
1型糖尿病は自己免疫疾患の一部です。外敵に向けて作る抗体という武器で、誤って膵臓を攻撃してしまうことが原因でおこる病気です。このため、インスリンを出す能力が徐々にまたは急激になくなり、生涯のインスリン注射が必要になります。明らかな原因は不明ですが、もともとの体質に、ウイルス感染などの要因が重なって起きるといわれています。一方、2型糖尿病は遺伝要因と環境要因が絡んで発症する病気です。血のつながった家族に2型糖尿病の患者さんがいる場合、罹りやすいです。インスリンを分泌する力がゆっくりと低下するために、血糖値を正常に保つことが徐々にできなくなり、慢性の高血糖をきたします。治療は、1型糖尿病ではインスリン注射と一部の内服薬を用いて治療します。一方で、2型糖尿病は食事運動療法を基礎に、内服薬を中心としたインスリンやGLP-1作動薬注射などの薬を組み合わせて行います。健康診断でひっかかったり、糖尿病と診断されたりした場合は、必ず早いうちに病院受診をしてください。糖尿病では、初期治療が大切です。最初にしっかりと対処すれば、あとあとの合併症の発症を抑えることができる(遺産効果)という報告があります。内科、糖尿病内科、内分泌内科を受診してください。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけにインスリンの効きが弱くなり、血糖値を下げる能力が下がることで起こる病気です。妊娠中は治療が必要で、産後も糖尿病を発症する可能性が上がるため検査を受けることが推奨されています。妊娠糖尿病などの血糖値が上昇する病気では、胎児が大きく育ちすぎて難産になったり、流産を起こしてしまうリスクがあるため、妊娠している間、しっかりと継続した治療が必要です。胎児がいる間は内服薬は推奨されていないので、インスリンの注射が必要です。欠食により胎児のIQが低下する可能性が示唆されているため、しっかりご飯を食べて胎児の成長を促すことが必要です。妊娠が判明し、産科を受けた際に必要と判断されたら内科を並行して受診しましょう。糖尿病内科、内分泌内科を受診してください。

