重症筋無力症の受診の目安と医療機関の選び方

ものが二重に見える、まぶたが下がるなどの症状が続く場合は、必要に応じて脳神経内科など重症筋無力症の診療経験がある専門医のいる病院を選ぶことが大切です。
受診を検討した方がよい症状や状態
重症筋無力症は、筋肉を使い続けると症状が強くなり、休むと少し楽になる特徴があります。そのため、夕方になるとまぶたが下がって目が開けにくくなる、ものが二重に見える状態が続く場合は注意が必要です。
また、長く話していると声がかすれる、呂律が回りにくい、食事の途中で飲み込みにくくなる、むせやすくなるなどの症状がみられるときも、早めの受診を検討したほうがよいです。さらに、同じ動作を続けると腕が上げていられない、立ち上がりにくいなどの力の入りにくさが続く場合も、一度医療機関での相談が大切です。
重症筋無力症の検査ができる診療科目
主に脳神経内科で行われます。また、目の症状が中心の場合には眼科から脳神経内科を紹介されることもあります。
重症筋無力症の治療と生活上の注意点

重症筋無力症の治療は、薬物療法や手術などで症状のコントロールを目指すとともに、疲れすぎない生活や感染予防、服薬管理など日常生活での工夫も大切です。
重症筋無力症の治療法
症状の程度や病型に合わせていくつかの方法を組み合わせて行います。まず、神経と筋肉のつなぎ目での信号を伝わりやすくする薬(コリンエステラーゼ阻害薬)で、眼の症状や筋力低下を和らげることが少なくないです。これで十分でない場合には、免疫の働きを抑えるステロイド薬や免疫抑制薬、補体阻害薬などを使い、自己抗体による攻撃をおさえます。
胸腺腫がある場合や一部の患者さんでは、胸腺摘出術(胸腺をとる手術)が検討されることもあります。症状が急に悪化したときには、入院のうえで血液浄化療法(血漿交換療法)や点滴による免疫グロブリン療法などの集中的な治療を行うことがあります。
重症筋無力症と診断された後の注意点
症状と上手に付き合いながら生活していくことが大切です。まず、過労や睡眠不足、強いストレスは症状を悪化させるきっかけになるため、無理をせず休憩をはさみながら活動量を調整するよう心がけます。
また、風邪や肺炎などの感染症も症状悪化やクリーゼ(呼吸が苦しくなる重い状態)の原因となるため、手洗い・うがい、ワクチン接種などで予防に努めることが重要です。服用中の薬は、自己判断で中止・増減せず、ほかの医療機関を受診する際には重症筋無力症と現在の薬を伝えます。特に一部の抗菌薬や筋弛緩薬などは病気を悪化させることがあるため、主治医の指示にしたがって安全性を高めて使うことが大切です。

