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【千葉県立美術館】グーテンベルクから杉浦非水、浅井忠まで。印刷博物館の名品でたどる“美しい印刷”の世界

日本の印刷文化をたどる。百万塔陀羅尼から『南総里見八犬伝』まで

『百万塔陀羅尼(相輪)』764-770年、印刷博物館蔵『百万塔陀羅尼(相輪)』764-770年、印刷博物館蔵

第2章「日本の印刷―文学の世界、技の粋」では、日本における印刷文化の歩みを紹介します。

日本の印刷文化は、奈良時代の「百万塔陀羅尼」に始まるとされ、その後、平安、室町時代を経て、江戸時代に大きく発展しました。かつて写本は高価で、一般の人々が手に入れることは難しいものでしたが、江戸時代に印刷技術が広がると、物語や学問、娯楽に関する印刷物が広く流通するようになります。

本章では、『百万塔陀羅尼(相輪)』(764-770年)や、滝沢馬琴著、柳川重信ほか画による『南総里見八犬伝』(1814-42年)など、日本の印刷史を語る上で欠かせない作品を展示。文字を読む文化と、挿絵を楽しむ視覚文化が交差する、日本独自の出版文化を感じることができます。

滝沢馬琴 著、柳川重信 他 画『南総里見八犬伝』1814-42年、印刷博物館蔵滝沢馬琴 著、柳川重信 他 画『南総里見八犬伝』1814-42年、印刷博物館蔵

杉浦非水、浅井忠も。デザインとしての印刷物に出会う

杉浦非水『非水百花譜』1929-34年、印刷博物館蔵杉浦非水『非水百花譜』1929-34年、印刷博物館蔵

第3章「デザインと印刷―広がる視覚、新しい形」では、印刷博物館のコレクションを「デザイン」という視点から見つめ直します。

19世紀以降、ヨーロッパでは活版印刷に代わる新しい印刷技術が登場し、より効率的な大量印刷が可能になりました。石版印刷によるポスター表現も発展し、華やかな色彩や優れたデザインを持つ印刷物が次々と生み出されていきます。

本章では、地図、ポスター、ちりめん本を含む書籍など、多彩な印刷物を紹介。なかでも注目したいのが、日本のグラフィックデザインの先駆者として知られる杉浦非水の『非水百花譜』(1929-34年)です。植物を題材にした繊細な観察眼と装飾性は、印刷物が美術作品としても鑑賞できることを示しています。

また、千葉県立美術館での開催にあわせ、千葉県ゆかりの画家・浅井忠が手がけた『甲辰 明治三十七年 暦』(1904年)も展示されます。浅井忠は、TOPPANホールディングスの前身である凸版印刷株式会社の初代社長・河合辰太郎と親交があった人物。本展では、千葉の風土にちなんだ海や船に関連する作品も紹介され、地域とのつながりも感じられる内容となっています。

浅井忠『甲辰 明治三十七年 暦』1904年、印刷博物館蔵浅井忠『甲辰 明治三十七年 暦』1904年、印刷博物館蔵

配信元: イロハニアート

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