指先まで甘美!うっとりする絵画を生んだローレンス・アルマ=タデマ
ローレンス・アルマ=タデマ《ヘリオガバルスの薔薇》, Public domain, via Wikimedia Commons.
アルマ=タデマは、19世紀イギリスで活躍したヴィクトリア朝を代表する画家です。主に古代ギリシャ・ローマ、古代エジプトをテーマとし、見る人を甘い香りで誘うような絵画を多く残しました。
ローレンス・アルマ=タデマ《テピダリウム》, Public domain, via Wikimedia Commons.
アルマ=タデマは古代の暮らしを甘美に描き出し、そのファンタジックな世界観は登場人物の指先にまで行き渡っています。たとえば《テピダリウム》の女性の、うちわのようなものを持つ手。力が抜けていて、持っているというよりギリギリ引っかかっている感じ……無防備な色気がたまらないポーズです。
ローレンス・アルマ=タデマ《テピダリウム》(部分), Public domain, via Wikimedia Commons.
ちなみに「テピダリウム」とは、古代ローマの公衆浴場にあった低温サウナのようなもの。画中の女性は恍惚とした表情を浮かべ、現実と非現実のはざまを漂っているかのようです。画家アルマ=タデマ自身も、古代文明に開放的で非現実的な夢を重ねていたのかもしれません。
「手」に注目して絵画を鑑賞してみよう!
ローレンス・アルマ=タデマ《銀色のお気に入り》, Public domain, via Wikimedia Commons.
絵画を見るとき、最初に見る部分はどこですか? 登場人物の表情や服装? または、絵の隣に貼られた解説でしょうか。「手」から見る人は、あまりいないかもしれません。
ですが、少しだけ視線をずらして手を見てみると、絵画の新たな魅力を発見できます。指先へのわずかな力の入れ具合にも巨匠の美学が宿り、手はときに顔よりも雄弁に心情を語るからです。
次に美術館を訪れたら、ぜひ手にも注目してみてくださいね。画家のこだわりやフェチが垣間見られ、楽しい鑑賞体験ができるはずです!
