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猫とはたらくvol.05:猫は、帰るべきところへ私を繋ぐ「錨」。作家・井上奈奈さんが語る、猫との暮らし

猫とはたらくvol.05:猫は、帰るべきところへ私を繋ぐ「錨」。作家・井上奈奈さんが語る、猫との暮らし

猫がいるから、そこが帰るべきところになる

本邦初公開のキリグの生活スペース。ご飯とお水、爪とぎとおトイレ。爪とぎの左にあるリモートカメラでキリグの様子を外から見守るのだとか。 −−キリグから見た、井上さんってどんな人だと思います? 井上:「しょうがないやつ」だと感じていると思います。私が世話をしているのではなく、キリグに世話をしてもらってる感覚あります。眠るときは毎晩、腕枕で寝てくれて。ぬくもりが恋しくなったら寄ってきて、「なでろ」って要求して。昼間はよく、へそ天で、大の字で寝ています。 −−反対に、井上さんから見たキリグは? 井上:親のようでもあり、息子のようでもあり、一緒に本を作る“共犯者”でもある。画家のフリーダ・カーロにとってのディエゴ・リベラのような感覚が一番近いですね。フリーダは、「ディエゴは始まりであり、私の子であり、恋人であり、画家であり、夫であり……私でもあり、宇宙だ」と表現しています。すべての側面を持っているし、どのようにも変化する。そこが、私から見たキリグへのイメージと重なります。 例えば、風邪でダウンした日、もし一人だったら、何もできなかっただけの一日になるかもしれないけど、キリグがいてくれるだけで、キリグと過ごした一日になる。ずっと一緒に居られたねって思えると、すべてプラスに変わっていく。それがすごいなって思います。 −−井上さんにとって、キリグはどんな存在ですか。 井上:「錨(いかり)」かな。キリグがいるところが母港という感覚です。旅行で離ればなれになっているときとか、毎日テレパシーで抱き締めてます。猫と暮らす以前は、旅は長ければ長いほどいいと思っていました。渋滞さえも「家に帰らなくていい時間が延びる」ってワクワクしてたくらい。 守るべき存在がいると、こんなに変わるものかと、自分のことながら不思議です。錨と猫って文字のかたちも似てるでしょう。キリグが、私を帰るべきところに繋ぎとめてくれるんだと思います。 アトリエの入り口に飾られた、キリグの絵。 今年の2月にご実家の猫でバズった話に触れる暇もなく、取材時間はあっという間に過ぎました。井上さんと猫のキリグが暮らす部屋は、白く静かで、確かに帰りを誰かが待っている「港」の空気があったのであります。 井上さんの言葉を借りるなら、私たちは皆、それぞれの「錨」を持って生きている。誰かの帰りを待つ猫がいるだけで、人はその場所に帰りたくなる——猫と暮らす者は皆、とりどりのシッポを揺らす錨を持っている。いや、錨に待たれながら生きているのであります。そんなことを思いながら、二匹の猫が待っている(はず)の、家路に向かったのでありました。 猫と暮らす皆々様におかれましては、それぞれの錨を抱きしめながら、よき夜をお過ごしください。次回のインタビューもどうぞご期待くださいませ。The post 猫とはたらくvol.05:猫は、帰るべきところへ私を繋ぐ「錨」。作家・井上奈奈さんが語る、猫との暮らし first appeared on 猫ジャーナル.
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