残されていた約20分の動画 廷内に響く遺族の涙声
長谷さんは身の危険を感じていて、スマホで被告らとのやり取りを録音していた。長谷さんが被告らから暴力を受けていたときの音声も残っていて裁判では当該部分のみが再生された。
風を切りながら打たれる拳の音。長谷さんのうめき声。女性の笑い声。鳴りやまない暴力の音が20分にわたって再生された。私は動画を聞きながら正直、息が詰まりそうだった。音声が再生される間、川村被告は険しい表情で画面を見つめていた。
今回の裁判で罪に問われているひとり、瀧澤被告は呆然とした様子で音声を聞いていた。
暴行の中で川口被告は長谷さんからクレジットカードを奪い、その場にいた少年たちにタバコを「買い与える」指示を出していた。
<長谷さんが記録した音声>
川口被告「ワンカートン、ワンカートン、ワンカートン」
瀧澤被告「でかいきたー!」
検察官「なんですかこれ?」
瀧澤被告「喜んだと思います。もらえると思って喜びました」
動画が再生されたとき、検察側の席に座っている遺族から涙をすする声が聞こえてきた。瀧澤被告はそれにも呆然とした様子だった。
瀧澤被告は長谷さんの背中に「ライダーキック」をするなどの暴行をしている。
弁護士「なぜライダーキックをしたんですか?」
瀧澤被告「ライダーキックをすれば笑いに変わると思い、暴力が終わると思いました」
弁護士「どのように蹴りましたか」
瀧澤被告「ライダーキックと言いながら蹴りました」
弁護士「なぜ技名を言うんですか?」
瀧澤被告「ライダーキックということで笑いに変わり暴力が終わると思いました」
弁護士「周りの人の反応は」
瀧澤被告「周りの人達は笑っていました」
罪の重さを彼らはどれほど受け止められているのか? 5日求刑へ
長谷さんはその後、服を脱がされ、ライターで体をあぶられるなどの暴行を受けた。
解剖した医師によると「頭皮から顔まで出血しないところがない」というほどの外傷だったという。
今回裁判を受けている当時16歳だった少年は「川口くんに恩があって逆らえなかった」と答えた。
彼らは自分たちのやったことに対してどれほど罪の重さを理解しているのだろうか。
5日は川村被告に検察側から求刑が出される予定だ。

