糖尿病で透析が必要になる状態とは

どのような状態になると糖尿病で透析が必要になりますか?
糖尿病性腎症が進行し、第5期の末期腎不全に達すると、腎臓の働きは正常な状態の15%未満にまで低下します。この状態になると、薬物療法や食事療法といった内科的な治療だけでは体内の環境を正常に維持できなくなり、重篤な尿毒症の症状が現れるため、透析治療が必要となります。
透析にはどのような種類がありますか?
透析治療には、大きく分けて機械を使って血液を浄化する血液透析と、患者さん自身のお腹の膜を利用する腹膜透析の2種類があります。さらに血液透析のなかでも、在宅血液透析(HHD)も近年では行われます。
糖尿病で透析を始めると生活はどのように変わりますか?
もっとも多くの方が選択する血液透析の場合、週に3回、医療機関に通院して1回あたり4時間から5時間の治療を受ける必要があります。そのため、仕事のスケジュールを調整したり、働きながら治療を続けるために夜間透析に対応している施設を探したりする工夫が求められます。また、腎臓の代わりに機械で急激に水分を抜くため、透析と透析の間の体重増加を防ぐ目的で、厳密な水分制限や塩分制限が必要になります。飲み物を自由に飲めなくなることは、はじめのうちは大きなストレスとなるかもしれません。
一方で、透析を始めたからといって旅行や外出がいっさいできなくなるわけではありません。事前に旅行先や出張先の透析施設を手配する臨時透析という仕組みを利用することで、国内はもちろん海外旅行を楽しむ患者さんも大勢いらっしゃいます。
参照:
『わが国の慢性透析療法の現況 2024』(日本透析医学会)
『自立支援医療(更生医療)』(松本市)
糖尿病による透析を回避するためにできること

適切な治療を受けていれば透析を避けられますか?
はい、透析を避けられる可能性は十分にあります。糖尿病性腎症は、早期に発見し、適切な治療を根気よく継続することで、病気の進行を劇的に遅らせるだけでなく、状態を改善させることも可能です。治療の基本は、学会のガイドラインに基づいた血糖コントロール、血圧管理、食事療法の徹底です。
薬をご自身の判断で中断することなく、主治医の指導のもとで正しく服用し、定期的な血液検査や尿検査で現在の状態を正確に把握し続けることが、透析回避のための防御策となります。
透析を回避するために気を付けることを教えてください
薬物療法と同等に重要なのが、日々の生活習慣の徹底的な見直しと改善です。食事療法や運動療法は、毎日の小さな積み重ねが5年後、10年後の腎臓の未来を大きく左右します。徹底した塩分制限と適切な食事管理
有酸素運動の実践と準備運動
運動の制限が必要な状態の理解
低血糖への備え
上記を実践することが大切です。
参照:『糖尿病を改善するための運動』(厚生労働省)

