「複々線化は何だったのか」
一連の反応の底に流れていたのが、複々線化への疑念だ。
「小田急線沿線に引越してからずっと思ってたけど、小田急って複々線ない時代どうやってラッシュ捌いてた?」
「何のために巨費と年月をかけた複々線化だったか」
「わかってたことでは? 住宅計画の段階から複々線化の見積もりが甘かったんじゃないのかな」
小田急は2018年3月の複々線全面使用開始に伴うダイヤ改正で、快速急行の運転本数を大幅に増やして登戸を停車駅に追加。平日朝の通勤時間帯の上り方向のみに通勤急行と通勤準急を新設した。これによりラッシュピーク時(下北沢着8時前後の1時間)の平均混雑率を「192%から150%程度」へと引き下げると数値で公約していた。ピーク1時間の列車本数を27本から36本に増発し、輸送力を約40%向上させるという内容だった。また、ラッシュピーク時の所要時間についても、町田-新宿間で最大12分短縮するとうたっており、現在も同区間の快速急行は35分から41分、平均で見ても約38分で結んでいる。
この公約が達成されたうえでなお混雑が残存しているのか、あるいは需要増が見込みを超えたのか——利用者の疑念がどうやらくすぶっていたようだ。
「利用者の努力だけでは限界」
公式の「協力のお願い」に対して、改善の主体はどちらにあるのかを問う声も上がった。
「そんなに片寄るなら東急程とは言わんが もうその時間帯は快速急行で運転しないほうが良いんじゃね?」
「東急程」というのは、東急電鉄が07年に田園都市線の混雑緩和を目的に、平日朝ラッシュのピーク時に走る上り急行を二子玉川-渋谷間各駅停車の準急に“格下げ”し、同区間を全て各駅停車とすることで、列車ごとの混雑を平準化しようとした対策を指す。この声が映しているのは、乗客に行動変容を求めるだけでなく、ダイヤ運用の抜本的な再設計を求める心理だ。事業者が「理解ある利用者」への依存を続けるかぎり、この種の問いかけは繰り返される。
折衷案を見つけた利用者の声もあった。
「多摩センターに住んで多摩センター又は唐木田始発の通勤急行、急行に乗って通勤はマジおすすめ。大体座れる」
そして、抜本的な「脱小田急」を宣言したポストも出た。
「小田急の朝夜混雑は凄まじく、通勤経路を変えました。グッバイ小田急」。

