
大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? Vol.29では、ニットアーティスト・蓮沼千紘さんのお宅を訪問。自身のアトリエと居住空間をセパレートしつつ、家族ともコミュニケーションがとりやすい空間づくりが魅力です。独創的なご自身の作品のほかアートに囲まれ、機能性にも富んだお部屋に一歩足を踏み入れて、子育ても家事もおしゃれもはかどる、理想の住まいのヒントを探りましょう。
profile
蓮沼千紘さん
ニットアーティスト
文化服装学院ニットデザイン科を卒業。2011年に独立し、学生時代に立ち上げたブランド「an/eddy」を本格的に始動させる。洋服だけではなく、空間装飾、インテリア、ワークショップまで幅広く手がけ、国内外で活躍。独自の感性で紡がれる鮮やかなニット作品が注目を集めている。Instagram:@knitchihiro
FAMILY:3人家族(パパ・ママ・子ども)
HOUSE TYPE:マンション/賃貸
HOUSE DETAIL:居住歴3ヵ月/約56㎡/2LDK+ベランダ
AREA:神奈川県
こだわりの住まいについて
配色が美しいニットワークを散りばめた
子どもと大人の心地よい距離を築ける家
今年の2月に引っ越したばかりと話す蓮沼さん。「純喫茶だったり、昔ながらの個人経営の飲食店も多く、落ち着いた雰囲気で好きなんですよね」と、以前からこのエリアが好きだったそう。今の住まいはマンションの一室で、広々としたLDKに、各8畳の2部屋。その2部屋をそれぞれアトリエ、子ども部屋兼寝室として使っている。
「アトリエにはカーテンを取りつけ、子ども部屋も扉があるのでプライベートな空間もつくれるように。オープンにしておけば、LDKからアトリエはひとつづきで大きなワンルームのようになるんです」。アトリエで作業をしたり、来客があり打ち合わせをしたりすることも多い蓮沼さん宅。その際は、カーテンを閉めてアトリエをクローズ空間にできたり、子ども部屋の扉を閉めて、お子さんは遊びに集中できる時間に。壁の向こうにお互いの存在を感じ合いつつ、個々の時間も豊かに保つことができているのだそう。
「今の家は白壁が多いので、自分の作品やアートを飾ってギャラリーのように使えるのもいいですね」。蓮沼さんのニットワークや、刺しゅう作家のアートが存在感のあるインテリアとして飾られている。ルーマニアなど東欧系のラグや、実家から譲り受けたテーブルなど、どこか懐かしい雰囲気のするアイテムと混ぜ合わせているのも特徴だ。「機能面も重視したいので、〈IKEA〉や〈ダルトン〉の収納を使いますが、古い家具も好き。新しいものと古いもの、さらに色もたくさん使っていますが、落ち着いたトーンを選んで、調和させています」
LIVING
ニットタペストリーや
柄のラグで華やかに
リビングは、蓮沼さんの作品であるニットタペストリーやクッションカバー、ランプカバーを部屋の随所にトッピング。コントラストのある配色が美しい、感度の高い空間に仕上げている。ニットやファブリック、木だけではなく、〈IKEA〉や〈ダルトン〉のスチールやプラスチックアイテムを組み合わせて、ほっこりしないようにスタイリングしているのが要。また、壁面活用を楽しんでいるのにも注目。「今までは角部屋が多かったので、広い白壁がなかったんです。この家は白壁の面が多いので、ギャラリーのように使えるのが嬉しいですね。今は、ニットタペストリーと、フランス・モンマルトル美術館のミュージアムショップで購入した虫の立体アートパズルを組み合わせて飾っています」
ラグは、福岡にある〈Magazyn〉で買ったもの。ルーマニア産ならではの複雑で豊かな色調や柄は、深い伝統から生み出されたぬくもりがある。「〈Magazyn〉は、お気に入りのショップのひとつで、東欧のものがお手頃な価格で手に入るんです」。音漏れ防止に、クッションフロアを敷くのも蓮沼さんのルール。落ち着いたダークトーンのクッションフロアを選んだことで、カラフルながらしっとりとした色使いのインテリアと好相性。「ニットを扱っているので、ちょっとしたゴミやほこりが出やすいのですが、暗い色の床だと目立つので掃除がしやすいんです(笑)。子どものアレルギー予防にもなりますね」
〈IKEA〉のソファはアルミ製フレームで、空間を引き締めてくれる効果も。収納がついているので、絵本をしまうのにもちょうどいい。「娘とソファやラグの上に座りながら、パラパラ絵本をめくるのもいい時間です。一緒にアイスを食べることもあります」
ソファ横のデッドスペースには、ヴィンテージショップの〈シャークアタック〉で購入したトランクを配置。収納としても活用しているのだとか。トランクの上には、〈THE STAND fool so good(s)〉で買ったランプが存在感を放つ。「このランプは、骨董品の壺をリメイクしてつくられたもの。一点ものというところにも惹かれました」
ラタン素材の小さな椅子は〈IKEA〉のもの。なかはちょっとした収納にもなり、子どもが靴下を履くときに腰掛けたりと使い勝手も抜群。その上には、蓮沼さんの作品であるニットスターを置いて。「こちらは、昨年展示で制作した4mのクリスマスツリーのトップに飾っていたもの。気に入っているので、自宅でも飾っています」
