eGFRと血清クレアチニンの健診結果はどう見ればいい?
編集部
血清クレアチニンとeGFRは、どのような関係にあるのでしょうか?
山縣先生
糸球体ろ過量(GFR)は、腎臓の全体的なろ過能力を示す指標です。eGFRは、血清クレアチニン値と年齢、性別から計算され、腎臓がどれくらい老廃物をろ過できているかを示す目安になります。ただし、年齢や筋肉量、脱水などの影響も受けるため、1回の数値だけで判断することはできません。毎年の変化を見ていくことが重要です。
編集部
食事や運動など、日常生活の影響も受けるのでしょうか?
山縣先生
筋肉量が多い人は血清クレアチニンの数値が高く出やすいという特徴があり、加齢で筋肉量が減るとeGFRが改善して見えることもあります。また、検査前の脱水や肉食の影響でも数値は変動します。そのため、単回の結果に一喜一憂するのではなく、経時的な変化を見ることが大切です。
編集部
健診結果では、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
山縣先生
eGFRだけでなく、尿蛋白の有無も重要です。特に尿蛋白が続いている場合は、腎臓に負担がかかっている可能性があります。一方で、CKDと診断されても、すべての人が急速に悪化するわけではありません。早い段階で異常に気づき、血圧や生活習慣を見直すことが重症化予防につながります。
蛋白尿は危険信号——透析へ進行しやすい人の特徴
堀江氏
先生の話を聞いてると、CKDで透析が必要になるような人は、なかなか出てこないような気がしてきました。
山縣先生
蛋白尿が出たら、速やかに専門医を受診することが非常に重要です。おっしゃるとおり、多くの人は緩やかな経過をたどります。ただ、症状がないからと放置する人が本当に多いのは大きな問題です。去年と変わらないと思って放置していると、10年後には透析直前になっていることがあります。そうならないように、早期から対策をすることが大切です。
堀江氏
蛋白尿とは腎組織が壊れている状態ですか? それともタンパク質をろ過してしまっている状態ということですか?
山縣先生
本来、腎臓は血液中のタンパク質をほとんど尿に漏らしません。しかし、腎臓のフィルター機能が障害されると、タンパク質が尿に漏れ出るようになります。特に糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎では蛋白尿が発症初期の重要なサインとなり、進行するとネフローゼ症候群(大量の蛋白尿が漏れ出る重篤な状態)などにつながることもあります。
堀江氏
一つの大きなサインは蛋白尿なのですね。
山縣先生
蛋白尿は間違いなく危険信号です。反対に蛋白尿がない場合は比較的ゆっくり経過するケースが多く、生活習慣を改善して血圧をコントロールするだけで、eGFRの変化がほとんどなく、少量であれば、蛋白尿が消失することもあります。

