俳優の岡田将生が主人公の田鎖真を演じ、染谷将太がその弟・稔を演じる連続ドラマ「田鎖ブラザーズ」(TBS系、金曜午後10時)が最終章に入り、物語が大きく動き始めた。6日に放送された第8話では、田鎖兄弟が兄のように慕っていた茂木幸輝(山中祟)に疑いが向けられるなか、その直後に謎の死を遂げるという衝撃の展開が描かれ、多くの視聴者を驚かせた。そんななか、本作の“考察班”が次なるキーパーソンとして名前を挙げているのが、茂木の母・カル(三谷侑未)。SNSでは彼女に着目した考察が続々と投稿されており、真相解明のカギを握る人物ではないかとの見方も広がっている。
「田鎖ブラザーズ」とは
2010年4月27日に殺人罪などの公訴時効が廃止されたものの、わずか2日の差で両親殺害事件の時効が成立してしまった兄弟が、刑事と検視官として凶悪事件に向き合いながら31年前に起きた両親殺傷事件の真相を追い続けるクライムサスペンス。連続ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」「海に眠るダイヤモンド」(いずれもTBS)などで知られる新井順子氏がプロデューサーを務める。
もっちゃんに他殺説「口封じで殺された」
第8話で、31年前に辛島金属工場と暴力団の五十嵐組、そして神奈川県警本部の刑事が絡んだ銃の密造疑惑について調べていたノンフィクション作家・津田雄二(ずん・飯尾和樹)の取材ノートの中身が明らかになった。兄弟がようやく「入手」したノートには、もっとも懸念していた父・朔太郎(和田正人)と拳銃密造の関わりについて、殺害される13日前の1995年4月13日に、銃を運搬したことについてしか書かれていなかったが、その日に取引で「トラブル」があり、事態収拾のため、茂木にある「任務」が課されていたことが記されていた。当時、茂木が営む町中華「もっちゃん」は再開発のための立ち退き候補地となっていたが、茂木は五十嵐組が仕切る立ち退きを見送ってもらうため、五十嵐組と癒着していた県警本部捜査一課の警部補・笹岡隆弘(柳憂怜)に交渉を依頼。その見返りとして、茂木が「あの一家を処理しろ」と命じられていたことがわかった。真は「あの一家」を田鎖家と推測。心を閉ざしていた幼少期から茂木にだけは懐いていた稔が、引き裂かれるような思いでノートの文面に目を通しているところに、店のコンロが故障したから台所を貸してほしいと言って茂木が訪ねてきた。
2人でキッチンに並び料理をしながら他愛もない会話を交わしていた稔は、「何か俺に話さなきゃいけないことない?」と問いかける。不意を突かれた茂木は「えっ…」と絶句しかけるが、努めて平静を装い「別に何もないけど」と返答。隠しごとがあると確信した稔は、足りない食材を買い出しに行くという口実で留守を任せて外出し、玄関の前にうずくまって声を押し殺して泣いた。買い物から帰ってくると、茂木の姿はなく、ロボットのおもちゃの中に隠してあった密造銃が消えていた。
茂木は盗み出した密造銃を、辛島ふみ(仙道敦子)のもとに届け、兄弟が事件の真相に気づいているとし、次に会ったときにはすべて暴かれるだろうと動揺して泣き出した。ふみはほとんど記録も残っていない30年以上前のことがわかるわけないとなだめ、茂木の手を握って「みんなの幸せは変わらない」と言い聞かせた。
黙って密造銃を持ち出したため、茂木が事件に関与した疑いを深めた稔は、茂木の体にある火傷痕の状態で事件当夜のアリバイを確認しようと真に持ちかける。31年前、同工場で起こった火災には、山の事故で負ったケガで車いす生活を余儀なくされていたふみに代わって、1週間分の総菜をまとめて調理するために出向いていた茂木も巻き込まれていた。彼の背中には火傷の痕があったが、爆発で飛び散った金属片で負った「金属熱傷」であれば白い瘢痕も残っているはずだった。
兄弟は、店を早終いしようとしている茂木を近所の銭湯に誘った。脱衣所で鏡越しに茂木を注視すると、背中に白い瘢痕は見当たらず、兄弟は服を脱ぐのも忘れて立ち尽くしてしまう。その様子に気づいた茂木から「どうした?」と尋ねられた真は、必死に表情を取り繕い「もっちゃん…年取ったな」と返すのがやっと。3人で湯船に浸かった茂木は「うれしいな。真と稔と風呂に入るなんて」とつぶやき、「つき合い長いけど、なかったもんな」という真に、茂木は「うん。ホントに…長かったな」と返して涙をあふれさせた。真と稔も言葉にできない思いがこみ上げ、目を潤ませた。
後日、田鎖家に稔宛ての宅配便が届く。差出人は茂木。不在だった弟の代わりに真が開封すると、中から出てきたのはロボットのおもちゃに隠してあったのとそっくりな密造銃だった。同じ頃、県警本部で検視官を務める稔のもとに、変死体の発見の知らせが入る。霊安室で稔が対面したのは、変わり果てた茂木の姿だった。
ドラマ随一の癒しキャラ「もっちゃん」が疑惑を残したまま“退場”する衝撃のエンディングに、視聴者は騒然。もっとも犯人であってほしくなかった人物が真犯人だったと悲しむ人が続出する一方、真犯人は別にいるとの推察も少なくなく、SNSには
「ここで、もっちゃんが犯人って話が出てくるってことはもっちゃんは犯人じゃないな」
「まだ話が残ってることを考えると田鎖父母を殺したのはもっちゃんではない」
「違うんだよ、もっちゃん犯人と見せかけて犯人じゃないんだよね? そうだよね!?(号泣)自殺に見せかけた他殺だと信じたい…」
「変死体だから口封じで殺されたんだと思う。最後にあの兄弟に真実を教えてくれようとしたかもしれない」
といったコメントが続々と寄せられた。

