急性骨髄性白血病の初期症状について
がん細胞(芽球)が血液の中に増えることで、骨髄で正常な細胞をつくることができなくなるため、血液の細胞である白血球、赤血球、血小板の量が低下し、以下のようなさまざまな症状が現れます。
起こりやすい症状
発熱
白血球は体の中に入った細菌やウイルスなどの病原体を排除する働きがあります。
白血球が減少すると体の中から病原体を排除することができなくなります。
そのため、感染症をおこして高熱となることがあります。
息切れ、動悸
赤血球は体中に酸素を運ぶ細胞です。赤血球が減ると貧血の症状が出現します。
十分な量の酸素を全身に運ぶことができなくなるため、少しの動作ですぐ息切れを起こすようになります。また、心臓がより多く動ことで酸素供給を賄おうとするため、動悸が出現するようになります。
出血
血小板は出血したときに、血を固めて止血する働きがあります。
血小板が減少すると出血しやすくなります。鼻血が止まりにくくなる、歯肉からの出血が止まりにくくなる、ぶつけていないのに皮膚にあざができやすくなるといった症状が出現することがあります。
まれに起こる症状
がん細胞は血液の流れに乗って体のあらゆる場所に広がります。そのため、まれですが以下のような症状が出ることもあります。
頭痛
頭蓋内などの中枢神経にがん細胞が浸潤したり、がん細胞が血管に詰まったり出血が起こったりすることで頭痛が生じることがあります。
骨痛
骨髄中でがん細胞が増えて骨髄の圧が高くなるると、骨の痛み(骨痛)が出現することがあります。特に血液の細胞を作る機能(造血)が盛んな腰部の骨に痛みが出現することがあります。
急性骨髄性白血病は、血液内科での治療が必要です。しかし、さまざまな症状が出るため、急性骨髄性白血病を初期に診断することは難しい場合があります。そのため、発熱が比較的長く続く、動機や息切れが続く、出血が止まりにくいなどといった症状がある場合には、まず内科を受診することが重要です。
急性骨髄性白血病の検査・診断
検査
急性骨髄性白血病を疑った場合は、通常の血液検査(末梢血検査)に加えて、血液を作っている骨髄の状態を調べるため骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)を行います。一般的には腸骨という腰の骨に針を刺して骨髄の組織を採取します。
骨髄の組織の状態や細胞の形態を顕微鏡で観察し、血液を作る細胞の状態や、がん細胞(芽球)があれば、そのの数や割合を調べます。また、採取した細胞について、染色体、遺伝子、表面マーカー(がん細胞の表面にでているタンパク質の種類)の検査も行います。
遺伝子検査や染色体検査は、治療方針(抗がん剤の選択など)にも大きく関わるため、とても大切な検査です。
診断
血液は全身を巡るため、がん細胞(芽球)は全身に広がります。そのため、固形癌(胃癌や大腸癌など)に用いるステージという進行に関する分類は用いません。白血病においてはがんの種類が治療方針にとって重要となることもあり、がんの種類を分類する病型分類が診断されます。
現在は主にWHO分類が用いられますが、伝統的にはFAB分類が使われてきました。
WHO分類
後述のFAB分類を発展させて作られた分類で、がん細胞の由来となった細胞の種類や、形態、マーカー、そして遺伝子の異常を元にした分類です。遺伝子異常によって予後が変わり治療戦略が異なることもあり、近年はこのWHO分類が用いられます。
FAB分類
どの種類の血液の細胞が、どの分化段階でがん化したかを細胞の形態で分類することにより、M0~7の8種類に分けるものです。顕微鏡による肉眼的観察で分類され、1970年代から使用されていた古典的な分類方法です。現在は急ぎの検査段階での分類として、または教育目的で用いられることが多い分類です。

